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2019年10月21日

北海道モータースポーツフェスティバルwithバリアフリー モータースポーツの魅力すべての人に

モータースポーツは誰もが楽しめるユニバーサルスポーツ

若者のクルマ離れもあり、モータースポーツ人口の減少がみられる中、北海道のモータースポーツクラブはファンづくりに積極的だ。昨年、大規模普及イベントを初めて開き、今年は身体に障がいのある人のモータースポーツ参加も新たにテーマに取り入れた。

先月16日、北海道千歳市の新千歳モーターランドで開催した「北海道モータースポーツフェスティバルwithバリアフリー」は、1600人の来場者で大賑わいとなった。モータースポーツは年齢、性別、健常者、障がい者に関係なく、誰もが魅力を感じられるものであることを改めて印象付けた。(北海道支社 沼田 利一) 日本自動車連盟(JAF)、JAF北海道地域クラブ協議会(JMRC北海道)、同フェスティバル実行委員会の共催。中核は道内モータースポーツクラブ42団体で構成するJMRC北海道で、道内モータースポーツ活性化のために取り組んだ。今年はバリアフリーイベントを組み合わせ、より広い層にモータースポーツをアピールした。

趣旨に賛同した有名ドライバーが多数参加。日本を代表するラリーストである新井敏弘選手と奴田原文雄選手。全日本ダートトライアル選手権トップドライバーの宝田ケンシロー選手。〝美しすぎるラリードライバー〟クロエリ選手。人気レーサーの大井貴之選手。

そして元グランプリライダーで下半身不随となってからは4輪のクロスカントリーレイドなどに出場している青木拓磨選手。今回のフェス実行委員会の佐藤友治委員長も車椅子を使う現役ラリードライバーだ。無料イベントとは思えないほど豪華メンバーが揃った。

イベントは、迫力あるモータースポーツを「見て」「体験」してその魅力を感じてもらえる内容。ダートコースやジムカーナコースで現役選手の運転する車両に同乗体験。オートテストも行い、マイカーやレンタル車を自分で走らせてタイムを競った。このほかファミリーラリーなど、すべて気軽に参加できるのが来場者に好評だった。

また札幌地区トヨタディーラー5社が協賛し、GRスープラなどの新車を並べたほか、トヨタガズーシングブースでタイヤ輪投げなど子供向けの催しを行った。

バリアフリー関連ではさまざまなタイプの車椅子を揃えた試乗会、車椅子ラグビーなどパラスポーツのデモと体験などが実施された。また車椅子を利用する来場者もダートコースの同乗体験に参加し、刺激的なドライビングを実際に味わった。

ジムカーナコースでは青木選手が、マニュアルミッション用手動運転装置アクティブクラッチの付いたシビックタイプRで同乗走行のドライバーを務め、華麗な走りを披露した。

来年のルマン24時間レースに出場する青木選手はトークショーで「23年前にケガして以来、24年掛かって再びヨーロッパのサーキットに行くことになった。あきらめなければ行けるということを示せたことがうれしい。同じチームのドライバー全員が障がい者。チームオーナーは四肢欠損でも2016年のルマンを完走している。今回の挑戦がブレークスルーのきっかけとなれば」と抱負を語り、会場から拍手が沸いた。

日刊自動車新聞10月17日掲載

開催日 2019年9月16日
カテゴリー 社会貢献
主催者

日本自動車連盟、JAF北海道地域クラブ協議会、北海道フェスティバル実行委員会の共催。

中核は道内モータースポーツクラブ42団体で構成するJMRC北海道

開催地 新千歳モーターランド(北海道千歳市)
対象者 キッズ・小学生,中高生,大学・専門学校,一般,自動車業界

ダートラ同乗走行に臨む車椅子の来場