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2019年10月19日

小田急電鉄、MaaSアプリの配信開始 観光型と郊外型で実証実験

発表会の様子

星野晃司社長

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小田急電鉄は、MaaS(サービスとしてのモビリティ)アプリ「EMot(エモット)」の配信を10月末に開始し、同時に観光型と郊外型の実証実験を開始すると発表した。複数のモビリティサービスを組み合わせた複合経路の検索機能や電子チケットの購入、モビリティサービスの予約や決済などを提供する。また、観光施設や飲食店など商業施設とのサービス連携なども検証していく。

エモットは、同社とヴァル研究所が共同開発したオープンな共通データ基盤「MaaS Japan」をベースにしている。同アプリは日本航空やジャパンタクシー、タイムズ24、MOVなどと連携して開発し、鉄道やバスに加え、タクシーやシェアサイクル、カーシェアなど複数のモビリティサービスを組み合わせた「複合経路検索」機能を提供する。アプリ内では「電子チケット」の購入もでき、チケットの情報を考慮した検索結果を提示する。経路の検索結果は連携するアプリやサイトに遷移して、モビリティサービスの予約や決済もできる。

アプリの名称はemotionとmobilityを組み合わせたもので、ロゴの形状はチューブを表し、シームレスにつながるがることをイメージしているという。小田急の星野晃司社長は「多くのパートナーと連携を進めていきたいという思いから、名称やイメージカラーから小田急カラーをなくした」と語る。

観光型MaaSとしては、箱根エリアで電車やロープウェイ、遊覧船が乗り放題となる「デジタル箱根フリーパス」をエモットで発売する。これにより、従来のように駅や旅行代理店で購入する手間が省ける。

郊外型MaaSは住宅エリアである小田急・新百合ヶ丘駅周辺で実施。小田急グループの商業施設「新百合ヶ丘エルミロード」で2500円以上の買い物をすると、新百合ヶ丘駅を発着する小田急バスの無料往復チケットをEMot内で発行。公共交通利用促進とデジタルな顧客接点の有用性を検証する。

同アプリではMaaS×生活サービスの飲食サブスクリプションの実証実験も実施する。新宿駅と新百合ヶ丘駅付近の計7店舗で利用可能な飲食チケットをアプリ内で販売する。チケットは1日1回利用でき、おにぎりやパンなど500円相当の商品が対象となる。10日券が3500円、30日券が7800円で、最大で7200円得に利用できる。

これらの実証実験は2020年3月10日まで行う方針だ。期限までに2万件のダウンロードを目指しているという。また、10月末からは静岡県の遠州鉄道の電子チケットもエモット内で販売するほか、今後は九州旅客鉄道(JR九州)との実証実験も検討中だという。(保知 明美)

 

主催者

小田急電鉄

対象者 一般,自動車業界