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2019年10月11日

広島で観光型MaaS バスやEV活用 実証実験始まる ツアー形式を採用

広島県庄原市で5日、観光型のMaaS(サービスとしてのモビリティ)の実証実験が始まった。主体となるのが庄原市や庄原商工会議所で組織する「先進過疎地対応型MaaS検討会」で、観光地の帝釈峡を巡る観光客の移動手段をシームレスに提供する。

バスなどの公共交通機関に加え、回遊手段として小型電気自動車(EV)のグリーンスローモビリティを活用する。旅行行程や観光地情報を一元的に提供するウェブサービスも導入する。 今回の取り組みでは、広島市内から観光客が訪れるツアー形式を採用する。

広島市中心部から高速バス、デマンドバスを乗り継ぎ、帝釈峡(たいしゃくきょう)でグリーンスローモビリティに乗り換える。帝釈峡は広島県を代表する観光地である一方で、公共交通機関でのアクセス手段がなく、年間来訪者数減少が続いている。この傾向に歯止めをかけるべく、今回の実証実験を開始する。

利用者は目的地の帝釈峡までバスで移動した上で、グリーンスローモビリティを使用することで狭い道を不自由なく移動できる。小型EVを使用することで環境負荷軽減にも配慮した。実証実験は10月末日まで。昨年の西日本豪雨からの復旧が遅れていたJR芸備線が10月末に全線開通するため、鉄道ルートでのツアーも用意する。

5日の出発式では土井幹雄庄原市観光協会会長が「帝釈峡の移動の足を確保できる取り組みとして期待は大きい。われわれとして今後、魅力発信を強化して観光客の増加に結び付けたい」と挨拶した。中国運輸局の藤原裕宜交通政策部長は「学識経験者やさまざまな関係者の尽力で実現できた。今後はアプリを使った予約管理にも取り組んでほしい。庄原の事例を全国に発信してもらいたい」と述べた。

11月からはもう1つの手法として、過疎化が進む庄原市本村地区、峰田地区を対象に過疎地型MaaSを開始する。スマートフォンのアプリを使って、予約や決済が可能になる仕組みを導入した。買い物支援サービス提供など、交通以外のサービスとの連携も計画している。

日刊自動車新聞10月8日掲載

開催日 2019年10月5日
カテゴリー キャンペーン・表彰・記念日
主催者

庄原市、庄原商工会議所(先進過疎地対応型MaaS検討会)

開催地 広島県庄原市
対象者 一般,自動車業界