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自動車産業インフォメーション

2019年10月11日

政府、完成検査やレベル4型式認証 AIの活用を検討

政府は年内に、人工知能(AI)を活用した自動車の完成検査や自動運転車の型式認証審査の合理化に向けた行程表(ロードマップ)を作成する。

工場に先進技術を取り入れて常時監視することや、レベル4以上の自動運転車の型式認証に必要な審査手順を簡素化することを目指す。未来投資会議に連なる形で内閣官房小委員会を設置し、11月中には詳細な内容を決める。実証実験などに関しては予算措置も検討しており、小委員会の提案を受けたプランの具体化に向けた実務は国土交通省が担う。

3日に開いた政府の未来投資会議(議長・安倍晋三首相)で、モビリティ分野の将来の規制のあり方や課題について議論を行った。

このうち、完成検査については、AIなどを活用した合理化策を検討する。カメラを使って工場を常時監視することで検査の改善を目指す。相次ぎ発生した自動車メーカーによる完成検査問題を受け、AIなどを採り入れメーカー側の負担を減らしながら検査精度やプロセスを担保する。

また、将来市販化が予定される無人自動運転車(レベル4~5)の型式認証審査を簡略化できるかどうかも検討する。ドライバーが不在の自動運転車を実用化する際には安全性の確保が重要となる。

ただ、型式認証審査の際に、あらゆる走行環境での安全性を検証しようとすると莫大な工数がかかる。夕暮れ時・雨天時と暗闇・雨天時、晴天日と曇り日など、天候や道路状況に応じて無数のかけ合わせが想定される。

そこで、走行データのAIによる解析やシミュレーション技術などを取り入れる。高レベルな自動運転車が出てくるまでに、どういう試験が必要なのかも検討する。審査の合理化により、自動運転車の市場投入を後押しする。

年内に未来投資会議に関連する内閣官房小委員会を設置する。11月中には、具体的な達成時期などを示した行程表をつくり、目標達成に向けたアクションに移る。

日刊自動車新聞10月8日掲載

開催日 2019年10月3日
カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

政府

対象者 自動車業界