2019年10月1日
自工会・豊田会長が続投 オールジャパンで競争力
日本自動車工業会(自工会)は26日、来年5月に1期2年を満了する豊田章男会長(トヨタ自動車社長)の任期を延長すると発表した。同日開催した理事会で決定した。
10月開催の東京モーターショーをはじめ、来夏の東京オリンピック/パラリンピック、さらに2021年開催の次回東京モーターショーも〝豊田自工会体制〟で対応する。自動化や電動化など自動車産業が変革期を迎える中、豊田会長が引き続き陣頭指揮を執りオールジャパンで競争力を高める考え。また、都内での会見で豊田会長は東京ショーの来場目標について、前回展の77万人を大幅に上回る100万人に引き上げる考えを示し、来場者誘致に強い意欲を示した。
自工会は2000年に、会長職について任期1期2年、会長ポストはトヨタ、ホンダ、日産自動車の輪番制とすることを内規で取り決めている。それ以降、2期にわたり会長を務めるのは初めて。次期会長会社でホンダ会長の神子柴寿昭副会長は、豊田会長の続投について「自動車産業がより一丸となって世界の中で生き残る、さらに世界をリードしていけるよう、一層競争力を高めていくために、強力なリーダーシップと求心力でやってこられた豊田会長が任期で会長を変わることがはたして日本の自動車産業にとって最善かどうかを考えていた」と、豊田会長に続投を依頼したことを明かした。会長の輪番制については「トヨタの次はホンダということは維持される」と説明した。
豊田会長は12~14年に続くの2度目の就任で20年までが任期となっている。現豊田自工会体制では、18年の税制大綱で19年10月の消費税増税以降の自動車税の恒久減税を勝ち取った。
19年は従来の自動車メーカーの枠組みにとらわれない新たな東京ショーの在り方を示した。来期続投について、豊田会長は「会員各社と力を合わせながら、多くの方々に笑顔になっていただくようなモビリティの未来づくりを引き続き尽力していく」と力を込めた。
開催が迫っているモーターショーについて、豊田会長は「販売促進の手段としてモーターショーの意味合いはかなり薄れてきた。東京ショーもモデルチェンジしなければならない」と危機感を示し、国内全産業を巻き込む新たなモーターショーの姿を模索する。海外のモーターショーも出展者、来場者ともに減少傾向にある中、東京ショーはクルマの枠組みにとらわれない形に進化させ来場者数の拡大を目指す。
100万人という来場目標について、豊田会長は「数字に緻密な理屈はない」と前置きした上で「箱根駅伝や甲子園など、誰もが知っているというひとつの目安がこの規模になる」と述べた。自動車軸のイベントでは70万人規模が限界として、残りの30万人を新規企画で誘致する考えだ。
日刊自動車新聞9月27日掲載
開催日 | 2019年9月26日 |
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カテゴリー | 人事 |
主催者 | 日本自動車工業会 |
対象者 | 自動車業界 |