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2019年9月28日

スマホをキー代わりに 来月中、施錠装置に認定方針 国交省

国土交通省は、スマートフォン(スマホ)を自動車の施錠装置として認める方針を固めた。

10月中に道路運送車両法に基づく告示を改正し、施錠装置の定義に「電子ソリューション」を加える。これにより、スマホに配信される「ワンタイムキー」でドアの解錠やエンジンの始動ができるようになる。鍵の受け渡しが不要になるため、カーシェアリングやレンタカーなどの利便性が高まりそうだ。

車両法に基づく保安基準では、車両と施錠装置は一対一の関係と規定されており、鍵は特定の車にだけ作動するよう設計する必要がある。また、装置の構造や施錠性能に関する指針、試験要件などもスマホを想定しておらず、現在は法令に基づく「施錠装置」とは認められていない。
一方で、スマホやコネクテッド技術の普及に伴い、スマホ側から車両の空調装置を操作したり「自動駐車」の指示を出すなどの技術が普及段階に入った。スマホを「スマートキー」代わりに使うことができればこうした技術進化を後押しする効果が見込める。また、カーシェアやレンタカーでは、一定期間だけ有効な「ワンタイムキー」をスマホに配信することで鍵の管理や受け渡しが不要になり、スマホで予約から解錠、決済まで済ますこともできる。
スマホのスマートキー化は欧州勢も意欲的という。日本でもトヨタ自動車がスマホで車の解錠や施錠ができる後付け用の「SKB」(スマートキーボックス)を東海理化と共同開発し、米国や日本で実証した。こうした実証事業には、保安基準が想定していない新技術を試す「大臣認定」で対応してきた国交省としても、スマホを施錠装置代わりにすれば利便性が高まると判断。実証結果などをもとにセキュリティ面での信頼性も確認し、制度改正に踏み切ることにした。2020年の東京オリンピックでもスマホによるデジタルキーを使い、大会関係車両の管理に役立てる方針だ。

日刊自動車新聞9月25日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

国土交通省

対象者 大学・専門学校,一般,自動車業界