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2019年9月24日

免許返納、残債なしに トヨタと東京海上日動 高齢者向け金融商品開発

トヨタ自動車、トヨタファイナンス、東京海上日動火災保険は、高齢者向けに新たな自動車金融商品を投入する。残価設定型ローンで新車を購入した高齢者が死亡、病気、免許返納で車を使用できなくなった場合、車の査定額と残債の差額を保障する仕組みを開発し、10月にも運用を開始する。

公共交通機関が発達していない地域などでは、生活の足として自家用車が必需品になっているケースが多いが、先々の心配から新しい車に乗り替えることをためらう高齢者が少なくない。先進技術による安全性向上の訴求に加え、安心して車を購入できる仕組みを導入し、超高齢社会に対応する。

新たに導入するのは、5年の残価設定型ローンで新車を購入する60歳以上の顧客が購入時に加入できる制度。保障にかかる費用は販売会社が決めるが、基本的には年齢に応じて8万5千円前後~28万円前後の価格帯となる見込みだ。対象は「プリウス」や「アクア」「カローラ」「ルーミー/タンク」など、高齢者の人気が高い車種になるとみられる。全国一律の実施ではなく、希望する販社のみが顧客に提供する。

不動産業界の高齢者向け住宅ローン「リバースモーゲージ」に近い制度となり、トヨタはこれを自動車業界向けに応用する格好だ。リバースモーゲージは契約者の死亡時に担保である不動産を売却し、融資額の元金を一括返済できる制度で利用者が増加している。

自動車の販売現場では、高齢人口の増加を背景に「新車が欲しくても万が一のことが起きた場合に家族に残債を残したくないという理由で購入を二の足を踏む」というケースが増加。高齢者による自動車事故が相次ぐ影響で、免許返納の機運が高まる一方で、生活のために「可能な限り自家用車を所有したい」というニーズもある。新制度の導入により、安全装備が充実した新車の購入を促し、事故低減につなげる考えだ。

日刊自動車新聞9月19日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

トヨタ自動車、トヨタファイナンス、東京海上日動火災保険

対象者 一般,自動車業界