会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2019年9月9日

メーカー各社、カーシェアの可能性模索 相次ぎ参入 手法には個性

国内の自動車メーカー各社が、カーシェアリング事業に相次ぎ乗り出している。スズキは今秋に大阪府でシェアリングの実証実験を開始し、郊外におけるサービスの需要を模索する。一方、先行する日産自動車やホンダは、共有利用のサービスにとどまらず、自社のクルマの魅力を訴求するためのタッチポイントと位置づけ、車両を増やしている。1月から都内でトライアルを開始したトヨタ自動車は、「トヨタシェア」と銘打って全国展開を進める。

所有から利用へと消費者意識が変化する中、それぞれの手法で共有利用サービスの可能性を模索している。 自動車メーカーによるカーシェアサービスはトヨタ、日産、ホンダが展開済みで、今秋にスズキが参入する。スズキは事業性を検証するための実証実験と位置づけ、大阪府豊中市の郊外にある販売店舗と周辺の駐車場でサービスを提供する。

いち早くカーシェア事業に乗り出したホンダは、「エブリ・ゴー」を2017年11月にスタート。東京と横浜からサービスを開始し、大阪にエリアを広げている。取り扱い車種は軽自動車からミニバン、セダンまで幅広く用意し、一部の店舗では燃料電池車の「クラリティフューエルセル」も貸し出す。試乗目的にカーシェアを利用し新車を購入するケースもあるという。

18年1月から「eシェアモビ」を始めた日産は、取り扱い車種が電気自動車「リーフ」とハイブリッド車「eパワー」に絞っているのが特徴だ。一般的なレンタカーやカーシェアがベースグレードを貸し出すのに対し、日産のシェアは上位グレードを配置することで、電動車の魅力や先進運転支援機能などを訴求する。全国に535台を配備し、自動車メーカーの中ではもっとも多い。

トヨタは、従来の手法にとらわれない販売店改革の一環としてカーシェア事業を模索する。現時点では実証実験の位置づけで、入会金と月会費は無料、利用料金も他社に比べて割安に設定する。現在は都内が中心だが、広島や福岡などエリアが広がっており、近く全国展開する方針だ。

日刊自動車新聞9月5日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

日刊自動車新聞社まとめ

対象者 自動車業界