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2019年8月30日

自動運転、静岡県が公道で実証実験 11月以降、県内4地区で

 

【静岡】静岡県は今年11月末から来年1月末にかけて、県内4地区で車の自動運転の公道実証実験を行う計画だ。県は車の自動運転社会の実現に向け、「しずおか自動運転ShowCASEプロジェクト」を昨年5月に立ち上げ、今年1月にレベル3の自動運転実証実験を袋井市で実施した。今年度は袋井市に加え、新たに沼津市と下田市、松崎町の県東部3市町の公道で実証実験を行い、実験を通じて地域の公共交通を担う人材不足や過疎地域等の高齢者への移動支援など各地域における様々な課題を検証する。

新たに行う県東部3地区での公道実証実験は、都市(沼津市)での自動運転バス、郊外(下田市)での自動運転タクシー、過疎地域(松崎町)での超小型モビリティと、それぞれ異なる道路条件と自動運転車両による実験を実施する。

このうち沼津市の実証実験は、来年1月22~31日に実施。JR沼津駅から沼津港までの約2・2㌔㍍の区間でEVバス(Ecom―10)を1日7往復運行し実験する。また、走行区間で渋滞する交差点の信号機をバスの到着予想時刻をもとに制御、停留所に定刻で到着する支援の検証も行う。

下田市では今年12月3~13日に実証実験を行う。伊豆急下田駅から道の駅「開国下田みなと」の間約1・7㌔㍍と、同駅から医療施設「下田メディカルセンター」の約1・2㌔㍍を名古屋大学が開発した電動カートを1日8往復運行する。MaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)アプリとの連携の検証や新たなデマンド交通サービスの検討を行う。

松崎町は今年11月25日~12月5日に実施。実験車両はタジマEV(田嶋伸博会長兼社長、東京都板橋区)の2人乗り小型EV「タジマ・ジャイアン」を使用し、伊豆の長八美術館と岩科学校間約2・3㌔㍍、岩科学校と中山間の集落間約2・7㌔㍍を1日6往復を運行。道路の狭あい部での走行技術の検証と過疎地域での移動サービスの導入の検討などを行う。

それぞれの自動運転車両の乗車にあたっては、専用のアプリで利用者自身が予約する。乗車後、自動運転の走行安全性など自動運転に関するアンケート調査をWebで実施するほか、松崎町では地域住民に対して移動時の課題や自動運転へのニーズなど具体的な意見を担当者が直接収集することが検討されている。

8月22日に同プロジェクトに対し意見や提言を行う「未来創造まちづくり構想会議(会長=森川高行名古屋大学未来社会創造機構教授)」が開催され、今回の実証実験の内容について、同会議の構成員に県の担当者が説明、構成員らと意見交換などが行われた。

日刊自動車新聞8月27日掲載

 

 

 

 

 

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界