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2018年6月29日

宮城県で相次ぎ自動車関連企業参入

宮城県では、自動車関連事業に参入、取引拡大する県内部品メーカーが増えている。県が2006年に設立したみやぎ自動車産業振興協議会(若生正博代表幹事)の「みやぎ自動車産業振興プラン」の中で、自動車部品の新規受注目標は11年度からの10年間で300件の受注を設定したが、計画を上回る勢いで伸長し17年度には318件に到達した。県が中心となって人材育成や技術開発の支援を行うなど、官民が一丸となって新規受注獲得を目指している。

県は、自動車関連産業の集積を目的にみやぎ自動車産業振興協議会を立ち上げた。各種セミナーや展示商談会の開催など、自動車メーカーと取引拡大や新規取引を目指す企業の支援を行ってきた。協議会に加盟する製造業の会員は、17年度末で360社が加盟しており、会員数は現在も増加傾向にある。
セミナーの開催を通じて、企業の人材育成に力を入れている。具体的には、目的別にカリキュラムを用意し、受講者のニーズに応じて講習が受けられる環境を整えている。講習では、自動車産業への興味喚起を目的とした学生向けに行う業界研究セミナーや自動車関連企業の社員向けに行う基礎研修など、ニーズに応じて講習を用意する。セミナーの中には、トヨタ自動車東日本(TMEJ、白根武史社長、宮城県大衡村)と連携・協力して行う場合もあり、生産工場との連携を深めている。

また、県とみやぎ自動車産業振興協議会は、自動車メーカーや大手サプライヤーで技術展示会を年に数回開催する。展示会は、出展企業の技術力をメーカーの担当者に直接アピールできる場ということもあって、展示会をきっかけに新規受注に発展するケースも見受けられる。
一方、県外とも連携を深めている。東北6県と新潟県で構成するとうほく自動車産業集積連携会議では、展示商談会や交流会を共同で開催するなど、地域全体で自動車産業の集積に取り組むことで、県内産業のさらなる発展につなげている。

県内における最近の自動車産業の動向は、12年にTMEJが発足して、取引先の部品メーカーも相次いで進出してきている。ここ数年で、自動車関連企業の新規参入や事業拡大への機運が急速に高まっている。
今後について県自動車産業振興室の担当者は「プランで設定した目標の新規受注獲得300件は前年度で達成できた。新たな目標値は設定しないが、少しでも実績を上積みできるよう引き続き県として支援を続けていきたい」とコメントしている。

日刊自動車新聞6月25日掲載

カテゴリー 会議・審議会・委員会
主催者

日刊自動車新聞社調べ

対象者 自動車業界