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WRCがやってくる ! 来年愛知と岐阜で10年ぶり日本開催 地域と一体、自動車文化の成熟へ

2019年11月22日

愛・地球博公園(愛知県長久手市)内のSSを疾走するヤリスWRC

世界ラリー選手権(WRC)日本戦が来年11月、愛知と岐阜を舞台に開かれる。日本開催は約10年ぶりで、北海道以外の開催は初めて。フォーミュラ1(F1)や二輪のモトGPと同じトップカテゴリーのレースだが、封鎖された公道を市販ベースの車両が走り、移動区間ではマラソンさながらの応援もできる。思いおもいのスタイルでモータースポーツを楽しむ時代が日本でも到来しそうだ。

競技車両と観客の距離が近いのもラリーの特徴だ

今月9~10日に開かれた「セントラルラリー愛知/岐阜2019」。WRC日本戦のテストイベントとも位置づけられたこの競技で優勝した若手のホープ、勝田貴元選手(ヤリスWRC)は「どこのステージも凄い人がいて正直、凄いびっくりした」と語った。

約50年の歴史を持つWRCは、複数のスペシャルステージ(SS)で1台ずつタイムを計り、合計タイムで順位が決まる。リエゾン(SS間の移動区間)も含めるとレース毎の走行距離は実に1200㌔㍍。灼熱のケニアから極寒のスウェーデンまで世界14カ国を転戦する。「世界で最もチャレンジングなモータースポーツ」と言われる所以(ゆえん)だ。

接近戦や追い越しがない半面、身近な市販車ベースの車両が公道を走るという親しみやすさがあり、欧州では国民的な人気だ。日本では公道レースのハードルが高く、初開催は2004年と他競技より遅いが、国内戦である全日本ラリー選手権は前身を含め40年の歴史を持つ。全日本戦のひとつである新城ラリー(愛知県新城市)への出場経験を持つネッツトヨタ東名古屋の山口茂樹会長は「ゴール後、移動しながら総合公園に戻る時、家の前に椅子を並べて皆が手を振ってくれる。町を挙げた歓迎ぶりに隔世の感がある」とした上で、WRC日本戦について「狭い道で、かつ交通を遮断し、県警の協力まで得てやるって、考えられないことが起きている」と興奮気味だ。

国際自動車連盟(FIA)公認の54サーキット、競技ライセンス5万人、年間のレース・イベント850回―日本自動車連盟(JAF)は「グローバルに日本のモータースポーツを見た場合、イギリスなどモータースポーツ先進国に外形的な面で劣っている点はない」としつつ「モータースポーツ文化など国民一般への浸透度が劣っているのは明らか」と指摘する。過密な道路や住宅事情の中で事故や暴走が社会問題化した背景もあるが、地域と一体になったWRCの開催が、自動車文化の成熟へ向けた一里塚になることは間違いない。

ここまで来るには自治体をはじめ、官民一体となった誘致活動、それから国内外のラリー関係者の強力なご支援があったと思う。心から感謝している。こういった活動が日本のモータースポーツファンをさらに盛り上げることにつながればいいし、日本を元気にするひとつのイベントとして定着すれば本当に素晴らしいと思う。WRCを盛り上げるというのは、そこに参加している日本のカーメーカーが良い成績を取ることが重要だと思うので頑張りたい。

ラリーは公道を使った競技で、抜いたり抜かれたりはしないが、普段皆さんが使っているような一般道を閉鎖し、そこを全開で競技車両が走る。僕自身、長久手市出身なので、ここを競技車両で走ることに感慨深いものがあったし、ここでもっと車やモータースポーツを盛り上げていきたいなと改めて思った。 ラリーでは経験が何より大事。しっかり1年間経験を積み、日本戦までにもっと力強い走りができるようになっていると思うし、僕自身、すごく楽しみにしている。WRC参戦をひとつの目標とし、良い結果を出せるように頑張りたい。

日刊自動車新聞11月20日掲載
カテゴリー キャンペーン・表彰・記念日
主催者

国際自動車連盟

開催地 愛知県・岐阜県
対象者 キッズ・小学生,中高生,大学・専門学校,一般,自動車業界
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