2018年3月20日
「第5次環境基本計画(案)」に対する意見を提出
日本自動車会議所 道路・環境委員会
日本自動車会議所は3月19日、環境省が意見募集した、「第5次環境基本計画(案)」に対する道路・環境委員会(委員長=桝野龍二・全日本トラック協会理事長)としての意見を取りまとめ、同省に提出した。同省は、本件について本年2月27日から3月19日まで広く国民から意見を募集していた。
当委員会では、従来より地球温暖化対策など自動車業界に大きな影響を与える案件へ意見提出してきたが、今般の意見募集に対しても、当計画が政府の環境政策の大綱であることを踏まえ、昨年9月の中間とりまとめ案に引き続き、最終案に対し以下の通り書面審議により委員会意見を取りまとめ、本意見募集に対応した。
【委員会意見の内容】
私たちは、自動車や部品の生産、販売・整備をはじめとする流通、運輸などの自動車関係団体や法人企業を会員とする自動車関連分野の総合団体として、業界共通の諸課題解決に向けて、政策要望・提言活動や社会貢献活動に積極的に取り組んでおります。
今般、環境省で募集されている表題の件につきまして、政府の総合的・長期的な環境政策の大綱である当計画の影響の大きさに鑑み、今回の意見募集に対し以下の通り意見を申し述べます。
1.地球温暖化対策計画に記載された2050年長期目標の3条件(全ての主要国が参加、主要排出国が能力に応じて排出削減、温暖化対策と経済成長を両立)および3原則(イノベーションの促進、国内投資の拡大・競争力強化、国民の知恵)を当計画に明記していただいたことを評価します。
(理由)
地球温暖化対策として、まず、わが国が全力を挙げて取り組むべき目標は、同対策計画に掲げられた中期目標「2030年度に2013年度比26%削減」であると考えます。
同時に掲げられた長期目標「2050年度に80%削減」については、あくまで目指す方向性を示したものであり、当目標を記載する場合には、数字が独り歩きしないよう、同計画に記載された3条件(全ての主要国が参加、主要排出国が能力に応じて排出削減、温暖化対策と経済成長を両立)および3原則(イノベーションの促進、国内投資の拡大・競争力強化、国民の知恵)を合わせて明記することが重要であり、今回明記いただいたことを評価します。
自動車業界といたしましても、引き続き自動車の燃費改善と次世代戦略車の開発をはじめ、エコドライブの啓発活動などを含めた取り組みにより、地球温暖化対策を強力に継続推進してまいります。
2.「汚染者負担の原則」にCO2が含まれ、「環境汚染防止のコストを、価格を通じて市場に反映する」手法に新たな炭素税や、石油石炭税および地球温暖化対策税の増税などが含まれるならば反対。
(理由)
炭素税をはじめとする規制的手法は、企業に直接の経済的負担を課す手法であり、企業の国際競争力を削ぐとともに、低炭素化に向けた研究開発や投資意欲を減退させイノベーションを阻害すると考えます。
私どもは、こうした観点からも石油諸税の更なる増税や石油諸税に係る税収の使途拡大など、石油に対するこれ以上の増税に一貫して反対しております。