2023年10月20日
「2024年度 税制改正に関する要望書」を取りまとめる
「今後のモビリティ社会を見据えた税制のあり方に向けた議論」を提唱
日本自動車会議所
日本自動車会議所は、自動車業界の総合団体として「2024年度(令和6年度) 税制改正等に関する要望書」(以下、要望書)を取りまとめ、国会議員をはじめ経済産業省、国土交通省、環境省の関係3省などに提出・説明しました。要望書は、9月28日に開催された当会議所税制委員会(委員長=佐藤康彦自販連法規・税制委員長、トヨタモビリティ東京社長)の審議を経て、一部修正のうえ、10月18日に取りまとめられました。
今回の要望書は、「自動車産業は100年に一度の大変革期に直面する一方で、過重で複雑な自動車関係諸税を抜本的に見直す大きなチャンス」との認識に立ち、「今後のモビリティ社会を見据えた税制のあり方に向けた議論」をすることを提唱しました。
そのうえで、重点要望項目の冒頭に「2050年カーボンニュートラル実現に向けた税制抜本見直し」を挙げ、以下の2つの要望を掲げました。
①モビリティがもたらす新たな経済的・社会的受益者の拡がりを踏まえ、負担軽減・簡素化を前提に、受益と負担の関係を再構築し、税体系を抜本的に見直すべき
②電動化などに伴う税収減を安易に自動車ユーザーに求めるのではなく、電動車の普及に資する税体系を前提に、公平な税負担となるよう検討すべき
これに続く重点要望項目は次のとおりです。
◎車体課税の抜本見直し
①自動車重量税の将来的な廃止を目指し、まずは「当分の間税率」の廃止
②自動車税・軽自動車税の環境性能割は、消費税との二重課税であり廃止
◎燃料課税の抜本見直し
①ガソリン税、軽油引取税に上乗せされたままの「当分の間税率」の廃止
②ガソリン税・石油ガス税等のTax on Taxの解消
◎喫緊に対処すべき見直し
①物流総合効率化法に基づく特例措置の延長
②バリアフリー車両に係る特例措置の拡充・延長
③動力を持たない被牽引車(トレーラー)への環境性能割の課税は即刻廃止
④営業用自動車の軽減措置の維持
また本年は、「クリーンエネルギー自動車(CEV)導入促進補助金の拡充・延長」など自動車関係予算に関わる要望も重点要望項目に追加しています。
取りまとめにあたり佐藤税制委員長は、「今後、自動車の電動化がさらに加速していく中で、国内市場を活性化させていくため、税制が果たす役割は非常に大きいものがあります。まず本年は、現在のエコカー減税の適用期限である2025年度末に向け、ユーザー負担軽減・簡素化を前提に、新たなモビリティ社会にふさわしい税制再構築のための議論を幅広く進め、その礎を築くことが極めて重要であると考えております」との認識を示し、積極的な議論を呼び掛けました。