日本自動車会議所は6月28日、東京都港区の日本自動車会館で「第292回 会員研修会」を開催しました。リモートも併用し、全国自動車会議所など各地から計約60人に参加いただきました。

今回は「情報セキュリティ10大脅威2023 組織編」をテーマに、講師には独立行政法人「情報処理推進機構」セキュリティセンターの大友更紗（おおとも・さらさ）氏をお迎えしました。

講演では、自動車業界をはじめ国内でも多くのサイバー攻撃やセキュリティ事故が発生しているのを踏まえ、特定の組織を標的とするランサムウェア（身代金要求型ウイルス）攻撃、サプライチェーン（供給網）の弱点を悪用した攻撃－など複数の「脅威」をそれぞれ詳しく解説いただきました。

具体的な攻撃手口としては、業務に関するメールを装い、不正なファイルを添付したり、悪意あるウェブサイトにアクセスさせたりする事例を紹介。その対策としては「システム管理者や従業員はファイルやリンクを安易にクリックしないなど、被害予防で油断してはいけない」と指摘しました。

トヨタ自動車が昨年、内外装部品の仕入れ先にサイバー攻撃を受け、システム障害に伴う国内全工場の操業停止に追い込まれたケースもあり、「標的組織の取引先や委託先に不正アクセスして侵入、保有されている重要情報を窃取する」と分析。その上で「取引先・委託先においても情報セキュリティに対する定期的確認・監査、情報共有がリスク低減につながる」と訴えました。

このほか、組織内部の不正による情報漏えい、テレワーク等のニューノーマルな働き方を狙った攻撃などについても事例や対策を説明しつつ、「SNSやインターネットの利用に関しても情報流出や炎上の危険がある。組織内で教育も必要で、情報リテラシー・モラルを向上させることが大事」と強調しました。

日　時	2023年6月28日　15:00～16:30
カテゴリー	会員研修会
場　所	日本自動車会館１階（東京都港区芝大門１‐１‐30）
テーマ	情報セキュリティ10大脅威2023 組織編
主催者	日本自動車会議所
講　師	独立行政法人 情報処理推進機構 セキュリティセンター 大友更紗氏
対象者	一般,自動車業界