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2018年7月25日

〈西日本豪雨〉マツダ・ダイハツになお影響残る

西日本豪雨から2週間以上が過ぎた今も、マツダとダイハツ工業は一部の工場で通常稼働を見送るなど予断を許さない状況が続いている。広島、岡山両県など被災地で復旧・復興作業が進められているものの、物流機能の正常化や部品調達の安定化などの課題が未だ残っているためだ。当面は日々の状況を踏まえながら柔軟に生産計画を見直していく。両社ともに業績への影響は調査中だが、自動車産業は裾野が広く取引先サプライヤーへの影響も少なくない。

マツダは6日からの豪雨の影響で、7日から本社工場(広島県府中町、広島市南区)と防府工場(山口県防府市)の稼働を11日まで休止した。広島県内に集中する取引先サプライヤーが被災したほか、冠水や土砂崩れによる道路網の寸断などで物流網が麻痺したためだ。鉄道の一部区間が運休したことで本社工場に勤める従業員の3~4割が出社できなかった影響も大きい。
稼働休止の長期化も懸念された中、12日から20日までの期間に限って、本社工場は昼勤の1直のみで、防府工場では通常稼働を再開させた。広島県内の復旧・復興作業と従業員の安全確保を最優先した条件下での判断だが、両工場で世界生産の約6割を占めるだけに生産への影響を最小限に食い止めたい事情もある。

23日からは「部品の供給や従業員の通勤などに一定の見通しが立った」(同社)ため、本社工場の生産量を抑えながら昼夜勤の2直で稼働を再開した。行政や地域などによる被災地の復旧・復興支援活動を妨げないよう、「交通網への負担を最小限にとどめる通勤・物流を徹底する」(同)。8月10日まで継続する。

ダイハツは、雨が激しくなった6日夕、小型車などを製造する本社工場(大阪府池田市)、軽自動車を製造する滋賀第2工場(滋賀県竜王町)で夜勤の稼働を休止した。子会社のダイハツ九州も同様に、エンジンなど部品を生産する久留米工場(福岡県久留米市)と軽自動車を製造する大分工場(大分県中津市)での夜勤の稼働を取り止めた。

10日から一度は各工場で通常稼働を再開させたが、取引先サプライヤーが被災したことや物流網の混乱で一部の部品供給が不透明なため、17日には滋賀第2工場の稼働を再度休止。車両生産と連動して、エンジンなど部品を生産する滋賀第1工場の夜勤で一部ラインの稼働を取り止めた。
18日以降、本社工場など4工場は通常稼働だが、滋賀第2工場とダイハツ九州の大分工場は残業なしで昼夜勤の2直で稼働を続けている。一部の部品供給が通常稼働できる水準まで戻っていないため。
ダイハツは6月18日の大阪北部地震でも本社工場、滋賀第2工場、京都工場(京都府大山崎町)の稼働を一時休止しており、自然災害による影響を立て続けに受けている。工場の稼働休止による業績への影響などについて、「西日本豪雨の影響は大きい」(同社広報部)という。当面は連日、物流網の状況を踏まえながら翌日の稼働を判断する。

日刊自動車新聞7月24日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

日刊自動車新聞社調査

開催地 広島県、岡山県、大阪府
対象者 自動車業界