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2019年2月25日

損保各社、AI活用して事故判定 調査や査定を効率化

損保各社が過失認定割合の算定や保険金の査定などに人工知能(AI)の活用を進めている。過去のデータを学習させ、ドライブレコーダーや画像情報などを用いてAIに精度良く認定割合などを判断させるもの。事故発生から保険金支払いまでの期間を縮めつつ、人手に頼っている事故調査や査定を効率化する狙いがある。

損害保険ジャパン日本興亜は、年内をめどにAIを活用した事故判定を導入する。ドライブレコーダーの映像をAIが解析し、事故状況や過去の事故に関する判例をもとに過失割合を算定する。交通事故鑑定などを手がけるジェネクスト(笠原一代表、横浜市港北区)と共同開発する。これまで2カ月かかっていた事故対応期間を1~2週間程度にまで短縮できるという。判定精度は95%以上を見込む。
現在は過失割合の調査や説明・交渉を人手に頼っている。「今までは主観的な面もあったが、AIを用いることでより早く納得感のある判定ができる」(損保ジャパン日本興亜)と期待する。GPS機能を搭載したドライブレコーダーを取り付けている車両が対象で、全契約者の10%ほどという。同社は通信機能付きドライブレコーダーを貸し出す特約「DRIVING!」を提供しており、この車載器情報でAI判定を行うことを前提に開発を進める。

東京海上日動火災保険は米メトロマイルに出資し、2020年をめどにAIを活用した事故判定の実用化を目指す。スマートフォンで撮影した画像をAIが分析する。「軽い損傷であれば半日で保険金支払いまで完結できる」(同社)とする。三井住友海上火災保険もベンチャーのアリスマー(大田佳宏社長、東京都港区)とアドバイザリー契約を締結。保険金査定の際、整備工場が撮影した写真をAIが自動的に査定する仕組みの実用化を目指す。あいおいニッセイ同和損害保険は、年内にドライブレコーダー映像を用いた事故判定を実用化し、20年までにはAIも活用していく考えだ。

日刊自動車新聞2月21日掲載

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