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2019年2月12日

国交省 車両法改正案、概要が明らかに

国土交通省が3月にも今通常国会に提出する予定の道路運送車両法改正案の概要が明らかになった。自動運転車に関しては、その安全な開発・実用化・普及と設計・製造過程から使用過程にわたって安全性を確保するための制度を整備することが狙い。加えて、適切な完成検査制度の確保と自動車検査証の電子化のための制度整備も盛り込む。全体で6項目と多岐にわたるため、同法改正の規模感としては「1994年の“前検査・後整備”の仕組み導入以来の大幅改正」(自動車局幹部)となる。

自動運転車関係では「保安基準対象装置への自動運行装置の追加」「自動車の電子的な検査に必要な技術情報の管理に関する事務を行わせる法人の整理」「分解整備の範囲拡大と点検整備に必要な技術情報提供の義務付け」「自動運行装置などに組み込まれたプログラムの改変による改造に係る許可制度の創設」の4本が柱となる。

自動運行装置は、カメラやセンサーなどによる認知機能、電子制御装置や人工知能のプログラムによる予測・判断と操作機能を持つもので、これらが使用される走行環境条件を装置ごとに国土交通相が決める。また、自動運行装置を「分解整備」の対象に追加して、その定義を拡大する。名称を「特定整備」に改めたうえで、これを事業とする場合には地方運輸局長らによる認証を必要とする。これに合わせて、自動車メーカーには必要な技術情報の提供を義務付ける。

自動運行装置などに組み込まれたプログラムについては、通信回線を使って改変する際に国交相の許可を得ることとする。
このほか、2017年秋以降に自動車メーカーで完成検査の不適切事案が相次いだことを受け、是正措置命令の発出や型式指定の効力停止など強制力がある措置を導入する。国交省に虚偽の報告をした場合には「1年以下の懲役または300万円以下の罰金(法人は2億円)」とするなど罰則も強化する。
また、車検証の電子化では、車検証をICカードに変更して保有関係手続きのオンライン化を加速するとともに、ICチップの記録事務を委託する制度を創設する。
これらの改正案が通常国会で成立した後、自動運転車関係と型式指定関係は速やかに、車検証電子化については19年度中にも施行することを目指す。

日刊自動車新聞2月8日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

国土交通省

対象者 自動車業界