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2019年2月3日

USS、AAにOBD検査導入

中古車オークション(AA)最大手のユー・エス・エス(USS)は、出品車にOBD(車載式故障診断装置)検査を試験導入する方針をこのほど公表した。緊急自動ブレーキなどの急速な普及で、今後の車両取引にはOBD情報の開示が欠かせなくなると判断した。デンソーと共同開発した専用のスキャンツール(外部故障診断機)を使って3月から名古屋会場で検査を始め、他会場への展開を検討していく。同業他社も対応を迫られそうだ。

名古屋会場には「OBD検査で異常のない車両の専用コーナー(略称=OBDコーナー)」を毎週、設ける。同コーナーの出品台数は1開催当たり200台程度を見込む。専用スキャンツール「DST―i for USS」は、日本自動車車体補修協会(JARWA、吉野一代表理事)監修のもと、同社とデンソーが共同開発した。大量の車両を効率良く検査できるよう工夫した。安藤之弘社長は「使用過程の中古車の安心・安全を担保することが求められている」と狙いを説明した。

OBDによる車両のチェックは同業他社や小売業界にとっても今後の課題になりつつある。オークネットは、OBDによる機能診断を前提とした中古車保証商品を昨春に導入したが、こうした動きはごく一部にとどまる。さまざまな車種に対応するスキャンツールをそろえる必要がある上、チェックに手間がかかるからだ。とくに大量の車両を扱うAA会場のハードルは高い。

USSは、2016年秋から目視で見えない不具合の“見える化”への取り組みを強化し、正しく補修された修復歴車を集めたコーナーの出品検査にはすでにスキャンツールを用いている。今回はこうした取り組みをさらに進め、目視とOBDの両検査でAA取引の信頼性を保つ考えだ。

日刊自動車新聞1月30日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

㈱ユー・エス・エス

対象者 自動車業界