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自動車産業インフォメーション

2019年1月25日

自動車業界 今年の採用、引き続き「売り手市場」

グローバル人材の転職支援を行うロバート・ウォルターズ・ジャパン(ジェレミー・サンプソン社長、東京都渋谷区)はこのほど、外資系・日系グローバル企業が国内で扱った高度技能人材の求人・中途採用の動向や給与水準を「給与調査2019」としてまとめた。昨年はあらゆる産業でデータの活用や人工知能(AI)の開発・導入、クラウドなどのインフラに関わる求人が急増し、第5世代移動通信システム(5G)のインフラ整備関連も目立った。またRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)による業務の自動化に伴い、事務職員数の抑制を始めた企業もあるという。同社は「自動化による業務の効率化を図るとともに、人材を収益に直結する分野に集約する傾向がある」(ジェレミー・サンプソン社長)としている。

転職時の給与水準については、売り手市場だったことが奏功して、前職に比べて10~19%増となり、AIなどに携わるプロフェッショナルでは20~29%増となった。この流れは今後しばらくは続くと見られる。
自動車業界について、同社は「昨年は電気自動車(EV)によるバッテリーや充電設備などの開発やセールスの分野での採用が活発だった」(サンプソン社長)と指摘。メーカーや関連企業では「自動運転やコネクテッドカーの技術開発によるソフトウエア開発を強化しており、それらのテストドライブや評価までできるスキルを持つ人材が歓迎されている」(オートモーティブ安藤朋洋マネジャー)と分析した。従来型エンジニアの採用は横ばいのまま、新たな領域となるソフトウエア関連を担う人材を集めている。一方、調達先を見直す動きもあり「サプライヤーはそれらに対応するべく営業スペシャリストのような人材を採用している」(安藤マネジャー)という。
海外からのエンジニア採用に関しては「以前は流ちょうな日本語を話す人材を求めていたが、現在は日本語力はN4(日本語能力試験4級)程度でもよく、それよりもソフトウエアなどの開発能力を重視する傾向がある」(同)。今後については「業界のオーバーラップにより、他業界から参入しやすい状況が起きている。採用する人材の幅が広くなり、人数でみれば補充できるようになるのでは」(同)と見ている。

日刊自動車新聞1月22日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

ロバート・ウォルターズ・ジャパン㈱

対象者 自動車業界
リンクサイト

ロバート・ウォルターズ・ジャパンホームページ「給与調査2019」

https://www.robertwalters.co.jp/about-us/news/2019-01.html