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2018年12月11日

京都亀岡近未来技術実装協議会と京都学園大学総合研究所、自動運転テーマにセミナー

■府内外の企業など100人参加、各社の取り組み事例紹介
自動運転の動向に関西でも大きな注目が集まっている。京都亀岡近未来技術地域実装協議会(会長=前田正史京都学園大学副学長・総合研究所長)と京都学園大学総合研究所は3日、同大学京都太秦キャンパス(京都市右京区)で「未来をつくる技術 第1回自動運転技術とこれからのくらし」をテーマにセミナーを開催した。府内外の企業やコンサルティング会社から約100人が参加し、セミナー後の名刺交換会では積極的に情報交換を行った。

同協議会は亀岡市と京都学園大学、企業などで構成する。同市での先端技術の実装に向けた「亀岡アクティブライフに向けた近未来技術実装事業」の実施に取り組んでいる。
今回のセミナーでは、東京大学のモビリティ・イノベーション連携研究機構長で、京都学園大学総合研究所客員教授を務める須田義大・東大生産技術研究所教授が「モビリティ・イノベーション 自動運転実用化カウントダウン」をテーマに基調講演した。

京都に本社を置く日本電産と堀場製作所、ニチコンは自動運転車など次世代車に向けた事業や府内での自動運転の取り組み事例を紹介した。
日本電産の早舩一弥専務執行役員は「新興の電気自動車(EV)メーカーやIT企業など新規参入する企業が増加している。サプライヤーの位置づけも大きく変化している」と指摘。「日本電産はモーターの小型化に命をかけている」と続け、代表例としてトラクションモーターとギアボックス、インバーターを一体化した「E―アクスル」を挙げた。軽量化や車内スペースの拡大を実現するモーターの小型化に向けた取り組みを発信した。
ニチコンはスマート社会の実現に向けた活動を説明した。現在は「NECST(ニチコン・エネルギー・コントロール・システム・テクノロジー)」を展開し、エネルギーの安定供給と環境保護の両立を目指している。
EVの電力を家庭電力に変換する「V2H(ビークル・ツー・ホーム)」を世界で初めて開発した事例を挙げ、クリーンエネルギーを活用した製品の拡販に注力していることを伝えた。古矢勝彦執行役員は「人が快適に過ごすためには、科学や技術だけでは実現できない。歴史・文化・芸術がそろった京都で、スマートシティを実現することに意義がある」と強調した。
堀場製作所開発本部開発企画センターの石倉理有氏は京都市などが実施している超小型モビリティを活用した実証実験について解説した。
石倉氏は京都が抱える課題として観光地の混雑や中山間地域の過疎化、オールドニュータウンを挙げた。解決策として、4~6人乗りのゴルフカートによる観光地巡りや中山間地域での実証実験などを紹介した。
中山間地域の実証実験は駅から大型施設までシャトルバスを運行し、大型施設から各集落には超小型モビリティを活用して移動する仕組み。石倉氏は「人と親和性の高い自動運転の実現に向け、実証実験も活発化する必要がある」と今後の方向性を語った。
同協議会は今回の自動運転技術のセミナーを皮切りに、先端技術を共有する場を積極的に展開していく方針だ。

日刊自動車新聞12月7日掲載

開催日 2018年12月3日
カテゴリー 展示会・講演会,社会貢献
主催者

京都亀岡近未来技術地域実装協議会、京都学園大学総合研究所

開催地 京都学園大学京都太秦キャンパス(京都市右京区)
対象者 大学・専門学校,一般,自動車業界