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2018年12月4日

自動運転へデータ活用を議論、ドライブレコーダー協議会がシンポジウム

■映像記録が事故検証に有効
ドライブレコーダー協議会(宮嵜拓郎会長)は22日、都内でシンポジウム「ドラプリ2018」を開いた。10回目を迎えた今回は「自動運転時代にドライブレコーダー映像をどう活かすか」をテーマに、自動運転関係の取り組みとドライブレコーダーの利用方法などについて、講演やパネルディスカッションが行われた。

◆EDRを補完
すでに一部の車両には先進運転支援システム(ADAS)が搭載され始めている。こうした動向を踏まえ、同協議会はドライブレコーダーの存在意義が大きくなっていくと予想する。国土交通省出身の宮嵜会長は「シンポジウムではテーマに沿って旬な話題を追っている。自動運転に向けた取り組みが進む中で、記録データの活用方法などドライブレコーダーの役割について議論を深めたい」と語った。その後、ADAS搭載車の事故や責任問題といった課題に対して、ドライブレコーダーの映像がどのように利用されるべきかについて議論が交わされた。
講演ではITSジャパン法務主査の佐藤昌之氏が「自動運転車事故の法的対応」と題して、米テスラとウーバーで発生した事故について、米国運輸安全委員会(NTSB)の報告書をもとに説明した。報告書では、搭載されているイベント・データ・レコーダー(EDR)の衝突耐性が低いこともあり、車載カメラをはじめとする他のデバイスも情報源になるとする。今のEDRは音声や映像、位置情報などを記録しておらず、佐藤氏は「画像から事故がどのように発生したかが詳細に把握できる」とドライブレコーダーの必要性を説いた。

◆車両要件や保険制度の動向も
また、自動運転における損害賠償責任について、有識者の報告をまとめた国土交通省自動車局の佐藤典仁企画調整官が説明した。自動車基準調和世界フォーラム(WP29)での国際的な車両安全基準の策定に向けた取り組みについて触れたほか、報告書の論点や今後に向けた議論の必要性などを解説した。
また、自動運転車の安全技術ガイドラインについては、国交省自動車局技術政策課の久保巧氏が講演し、自動運転車の走行可能範囲を定めた運行設計領域(ODD)の設定やデータ記録装置の搭載、サイバーセキュリティー対策、使用者への情報提供などを求めるガイドラインの概要を説明した。国が進める「ラストマイル自動走行」やトラックの隊列走行なども紹介した。

日刊自動車新聞11月30日掲載

開催日 2018年11月22日
カテゴリー 展示会・講演会
主催者

(一社)ドライブレコーダー協議会

開催地 東京都
対象者 一般,自動車業界
リンクサイト

ドライブレコーダー協議会ホームページ http://www.jdrc.gr.jp/