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2018年12月3日

三五、排気熱発電装置を開発へ

自動車のマフラーやボディー部品などを製造する三五(恒川幸三社長、愛知県みよし市)は、エンジンから出る排気熱を電気に変換する発電装置を開発する。高温の排ガスと冷却水との温度差を利用して電気を取り出し、バッテリーに供給する仕組みで、強みの排熱回収器の技術を応用する。オルタネーターの稼働率を減らすことで燃費を約1~1・5%向上できる。ハイブリッド車(HV)やプラグインハイブリッド車(PHV)をメーンターゲットに2024年の実用化を目指す。

新たに開発する「熱電発電装置」は温度差で電気を生み出す仕組みを利用した製品。排ガス中のエネルギーを回収して暖房性能の向上に生かすヒートコレクター(排熱回収器)の要素技術のほか、半導体などからなる熱電モジュールで構成する。
エンジン燃焼後に失ってしまう排気熱を有効利用する。熱電モジュールを使いシステム内の高温の排ガスと冷却水との温度差で発電。生み出した電気はDC/DCコンバーターを通じてバッテリーへと送る。エンジンで駆動するオルタネーターの稼働率の低減につながり、燃費を向上できる。この一方で、実用化に向けては、同技術の肝となる熱電モジュールのコストをいかに下げていくかという課題がある。熱電発電装置は車への搭載例がまだなく、量産車への搭載でコストを下げる狙いがある。

三五はこれまでに、熱を効率的に使う熱マネジメントに取り組み、排熱回収器を開発・実用化してきた。この技術をベースとした次世代製品と位置づける。車の電動化でカーナビゲーションや各種センサーなど電子部品に使う電力の供給に着目し、早期製品化にこぎつける。

日刊自動車新聞11月29日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

㈱三五

対象者 自動車業界