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2018年12月2日

先進安全技術、官民を挙げて点検や整備体制作り急務

先進安全技術の点検や整備の体制作りは業界全体の課題だ。自動車メーカーは系列ディーラーや販売代理店のサービス体制の強化に乗り出し、整備機器メーカーはエーミング(機能調整)作業の第三者認定サービスを提供する。緊急自動ブレーキなどの新車装着が急速に進む中、こうした先進安全装置の機能維持がクルマ社会の安心・安全を確保する上でも急務だ。

自動車メーカーではダイハツ工業が専用の外部故障診断機(スキャンツール)などを持ち、エーミング作業ができるディーラーと代理店を「純正コンピュータ診断機 配備店」として組織化する。ホンダは「ホンダセンシング」の専科研修をディーラー向けに始め、年度内に全国約2400拠点に1人の受講者を配置する計画を持つ。

メガサプライヤーで市販の整備機器も手がけるボッシュは「正しいエーミング作業にはサポート機器の提供だけではなく、作業ノウハウを指南し、作業記録を残すことが重要になる」と見て、独自の「ADAS(先進運転支援システム)エキスパート認定」を立ち上げ、自動車メーカーの指示通りに作業を実施したことを第三者的に証明するサービスも提供する。

BSサミット事業協同組合(磯部君男理事長)は、エーミングの作業料金算出に必要な工数表を業界で初めて策定。今春にトヨタ自動車「プリウス」同「PHV」用をまとめ、年内にもダイハツ「ムーヴ」、スズキ「ワゴンR」用も公表する計画だ。

テュフラインランドジャパン(トビアス・シュヴァインフルター社長)は今夏、整備工場がエーミング作業を行うために対応すべき項目として、作業環境の整備や作業委託先との契約、作業データの記録と保管、トレーサビリティーの確保、作業未実施の場合の周知方法など10項目をまとめて公開している。

アクセルやブレーキ、ステアリングを制御する先進安全装置が故障や誤作動を起こせば事故に直結する。自動運転社会の到来も見据え、官民を挙げた整備体制づくりがますます重要になる。

日刊自動車新聞11月28日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

日刊自動車新聞社調査

対象者 自動車業界