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自動車産業インフォメーション

2018年11月14日

外国人労働者 整備業が期待 政府、「特定技能」対象に

政府が検討中の新たな外国労働者の在留資格に自動車整備業界が注目している。

新設される「特定技能」の対象業種に自動車整備が含まれているからだ。受け入れ人数を含め、制度設計には曲折も予想されるが、技術や素材の急激な進化と人手不足が同時進行する業界にとって、意欲ある海外人材の受け入れは人手不足解消の一助になりそうだ。

政府は2日、出入国管理法改正案を閣議決定した。改正の柱は2019年4月に新たな在留資格を創設する点だ。一定の日本語力と技能を身に付けると認められる「特定技能1号」、より熟練した技能を習得し、定期的な審査に合格することが求められる「特定技能2号」を設ける。特定技能1号の在留期間は通算5年。家族の帯同は認められない。ただ、特定技能2号は家族帯同も可能で、条件によっては永住する道も開ける。政府は農業や漁業、建設、外食、介護など人手不足が深刻な14業種に限り新たな在留資格を付与する方針。自動車整備は1号、2号とも対象とする方向で検討が進む。受け入れ人数は明らかになっていないが、初年度は4万人規模の受け入れを見込むとの報道がある。

自動車整備業の人手不足は深刻化する一方だ。日本自動車整備振興会連合会(日整連)の「自動車整備白書」によると、17年の整備要員数は前年比0・3%減の39万9717人。3年連続で減少した。整備専門学校などの入学者はピークと比べ6割減だ。一方で、17年の継続検査台数は過去最高の3299万4千台を記録。1事業場当たりの車検整備の年間入庫台数は前年比10台増の366台に増え、整備現場では繁忙感が増している。

業界ではすでに、16年春に職種追加された外国人技能実習制度を活用する動きが広がりつつある。自動車整備職種の評価試験機関である日整連によると、17年4月に始めた外国人自動車整備技能実習評価試験(初級)は232回実施し、877人が合格した。政府は技能実習2号(入国2~3年目)から新たな在留資格への切り替えも認める方針で、技能実習制度と新たな在留資格により、整備業界の人手不足が緩和されるか注目される。

日刊自動車新聞11月10日掲載

開催日 2018年11月2日
カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

政府

対象者 自動車業界