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自動車産業インフォメーション

2018年11月13日

経産省作成資料、車体課税 「地方」「子育て世代」ほど重い負担

経済産業省は8日、車体課税の抜本的な見直しに向けて作成した資料を明らかにした。

抜本見直しによる地方税収の大幅な減少を危惧する声に対し、現状では「自動車が足として必要な地方のユーザーほど車体課税の負担が重い」ことを明記。さらに「自動車が必要な子育て世帯ほど経済的な余裕がなく、自動車が持てない」とも説明している。経産省は、この資料を与党を中心とする国会議員らに配布し、車体課税見直しへの理解を求める。

資料では車体課税負担の地域差をみるため、世帯あたり保有台数が1台未満の東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、京都、兵庫の7府県を「都市」と定義。これら以外を「地方」とした上で、取得と保有に必要な税負担額を試算した。
保有台数が平均0・77台の都市と1・45台の地方では、世帯当たりの負担額に約65万円の差が生じていると説明した。また、世帯あたりの平均年収は地方が約26万円低く、地方での負担感はより重くなると説く。
消費支出に占める主な品目ごと割合を比較すると、食費や教育娯楽費などが地方部ほど下がる一方で、自動車関係費は光熱・水道費とともに地方部ほど上昇するとした。

さらに、民間調査からデータを引用し、「都市部・地方部を問わず自動車税の負担感は非常に大きく、保有するだけで課される税(自動車税)は対価性を認識しにくいため、ユーザーの負担感を増している可能性がある」と指摘した。
自動車の保有意向に関する資料では、日本自動車工業会の調査などをベースに、車両保有のない世帯のうち「子育て世帯(特に大学生以下の子どもがいる世帯)」が全世帯平均よりも2倍、保有の意向が強いことも示した。一方で、子育て世帯ほど経済的な余裕がなく、税金や車検費用などの維持費が大きな負担となっている現状も示した。

経産省は、自動車関係諸税の簡素化と負担軽減、さらには2019年10月の消費税率引き上げ後の需要変動を平準化するため、資料を通じ関係者の理解を促していく。

日刊自動車新聞11月9日掲載

開催日 2018年11月8日
カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

経済産業省

対象者 一般,自動車業界