会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2018年11月12日

〈西日本豪雨〉完全復旧を急ぐ岡山SS、本格的な再起には時間

西日本豪雨から4カ月・・・

【本格的再起には時間】

岡山県倉敷市真備町の守屋石油店箭田SS(守屋弘志社長)は、真備町にあるSSの中でも最も高い場所まで水が来たという。地上4メートルの高さにある通気管を超える高さまで冠水し、水が地下タンク内に流入した。現在は流入した汚泥をきれいに取り除き、2つあるタンクのうちライニング済のタンクは、中にごみがないことを確認。現在はこのタンクを使って一部営業を再開している。

しかし、もう一つのタンクはライニングを施してから使用する予定とのことで、現在も本格的な営業再起を目指し復旧作業を進めている。守屋社長は、「復旧作業にあたる重機への配送なども含め、今後も全力で対応したい。また、各方面から多くのご支援をいただき感謝している」と話す。同町内では、被害の少なかった1SSだけが比較的早い段階で営業を再開していたが、8月下旬には町内で2ヵ所目のSSが営業を再開した。このSSも浸水により大きな被害を受け、被災から2カ月近く営業停止することとなった。しかし、地下タンクへの水や土砂の流入がなく、被害が軽度だったことから、軽量機、POSなどを改修し、やっとの思いで営業を再開することができた。

【代替機の保管が幸い】

倉敷市真備町の隣、高梁市内のSSでも冠水被害があった。ムラカサミンラック高梁SS(村上雅俊社長)は近くを流れる高梁川が氾濫し、サービスルームの中が1メートル90センチの高さまで浸水。フィールドでは防火塀が完全に水没した。SSにはスタッフ3人が取り残されたが、ピットの中二階へ避難し、消防のボートで救出された。軽量機やPOSも水没し使用不能となり、顧客データを管理するサーバーも水に浸かったが、こちらは幸いにも1カ月程度で修復できた。

被災直後、土砂崩れなどによって高梁市は孤立状態となったが、浸水開始直後から関係業者に連絡を取っていたこともあり、早い段階から復旧作業に取りかかることができたため、数日の営業停止だけで、一部営業再開にこぎつけられた。また、閉鎖したSSで使用していた軽量機やPOSを保管していたことも幸いした。すぐに代替機に交換できたことが早急な営業再開を可能にした。8月下旬にはサービスルームの内装の張替えも終了。現在は被災前と同様のサービスを提供できるまでに復旧している。しかし、まだ什器備品や消耗品など不足しているものも多く、今後は完全復旧に向けて作業を進めていくとのこと。

また、別の地域にある同社のSSは被災後も営業を続けたが、数日は在庫が少なくなったタイミングで限定給油にし、来客客に対応。岡山道が通行可能となり、ローリーの手配ができた段階で限定給油を解除した。その間は復旧支援のボランティアなどでSSは混乱。とりあえず給油でできるところでできるだけ給油して、満タンにしておく人が多かった。村上社長は、「一番良かったのは従業員にけがもなく、全員無事だったこと。復旧についても早急に補助金などの支援が決まり、とても感謝している」と話す。

ぜんせき11月7日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

全国石油商業組合連合会・ぜんせき取材

開催地 倉敷市、高梁市(岡山県)
対象者 一般,自動車業界