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2018年11月12日

日産、スケートリンクで試乗会 ノート e―POWER メダリスト FOUR

日産自動車は2日、報道機関対象に「ノート e―POWER」4WDモデルの氷上試乗会を、苫小牧市のダイナックス沼ノ端アイスアリーナで開催した。このクルマはスケートリンクという極端なツルツル路面を、ドライバーがほとんど不安を感じることなく、イメージした走行ラインをトレースできる。これは今まで体験したことのない感覚で、積雪寒冷地に住むユーザーにとって大きな魅力に感じることだろう。

かつて電気自動車のリーフを滑りやすい雪道で運転し、そのコントロールのしやすさに電動車両と雪道の相性の良さを感じていた。それだけに四輪を電気で駆動するノートe―POWER・4WDの冬道性能には7月の発表以来、大変興味があった。初雪を待って試乗したいと考えていたが、一足先にスケートリンクで走りを試すことができた。
実はスケートリンクでの試乗は参考にならないとも思っていた。数年前、他メーカーのクルマでスケートリンクを走行した際、ノロノロ運転でもコントロールできないほど滑りまくり、公道の凍結路以上に過酷すぎる条件であることを知っていたからだ。

そんな経験を思い出しながら慎重に発進する。モーター駆動ならではの力強さと共に左右のふらつきがほとんどないことに気付く。四輪すべての駆動を電子制御すること自体は、今や内燃機関のクルマでも珍しくなくなったが、内燃機関のクルマはスリップと制御にわずかなタイムラグが生じ、ふらつきにつながる。ノートe―POWERのタイムラグも皆無ではないが“2万分の1秒”という無視できるレベル。その恩恵はコーナリング時にも安定性をもたらし、外側にふくらみにくい。

発進や加速以上にメリットを感じたのが減速性能。回生発電が強く働く「e―POWERドライブ」は、アクセルオフでエンジンブレーキの約3倍減速し、ワンペダルで加減速できる。しかも減速時にも横滑りが起きないよう四輪を制御し、安心してスピードダウンできる。試しにブレーキを踏むとABSが作動し続け、逆に制動距離が伸びてしまった。

ノートe―POWER・4WDは、滑りやすい路面でこれまでにないほど高い走破性能を発揮する。モーター駆動の4WDは、内燃機関の4WDと比べてリアルタイムの制御が行えるため、挙動に安定感もある。常時モーター駆動の量産4WD車は、世界的に見てもノートのほか、テスラ「モデルS AWD」「モデルX」、ジャガー「I―PACE」と希少な存在。このモデルがヒットすることで、e―POWER・4WDのバリエーション展開にも期待したいところだ。

日刊自動車新聞11月7日掲載

開催日 2018年11月2日
カテゴリー 展示会・講演会
主催者

日産自動車㈱

開催地 ダイナックス沼ノ端アイスアリーナ(北海道苫小牧)
対象者 一般,自動車業界