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2018年11月8日

国交省、中山間地域で長期の自動運転実証実験

国土交通省は、中山間地域で長期の自動運転実証実験を開始した。福岡県みやま市で来月半ばまでの50日間、「路車連携型」の技術を採用したヤマハ発動機製の6人乗り車両を使い、技術およびビジネスモデルとしての検証を行う。長期の実証実験は全国初。今後、バスタイプなどでも長期の実証実験を行う考えで、成果を自動運転車を活用した事業の実現と道路空間の基準策定などに生かす。

みやま市での実験には、道路に埋設した電磁誘導線からの磁力を感知して、既定のルートを走行する車両を用いる。自動走行時は時速12キロメートル以下、手動時は同20キロメートル未満で走行する。ルート上には自動運転車専用の区間と一般車両と混走する区間がある。一般車両に注意を喚起する路面表示を設置するほか、自動運転車が走行中であることを知らせる回転灯も設置する。

高齢者や児童の送迎ほか、みかん農家から道の駅までのみかん輸送なども行う。運営は「自動運転移動サービス事業法人(仮称)」が主体となり、みやま市が補助金を交付するほか、みかん輸送に関しては地元JAから運送料金を徴収する。送迎は協力企業などからの協力金でまかなうが、将来的には運賃として徴収することも見込んでいる。
実証実験を通じて、中山間地域の特性を生かした走行空間の確保策や運行管理システムを検証する。また、事業実施体制や各種機関との連携のあり方、事業再採算性なども確認する。

国交省では2017年度に、みやま市のほか全国13カ所道の駅を中心に短期の自動運転車実証実験を実施した。今年度中は5、6カ所で、さまざまな実験車両を用いた長期実験に着手する予定だ。

日刊自動車新聞11月6日掲載

 

カテゴリー 会議・審議会・委員会
主催者

国土交通省

開催地 福岡県みやま市ほか全国13カ所の道の駅
対象者 一般,自動車業界