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自動車産業インフォメーション

2018年11月6日

自動車製造物責任相談センター上期対応、車両本体関連が大半

自動車製造物責任相談センター(青山善充理事長)はこのほど、2018年度上期(4~9月)の相談対応状況をまとめた。

相談件数は前年同期比11・9%増の1392件と増加。このうち、拡大損害(製品自体以外の身体や財産、第三者に与えた損害)が発生した事故関連は78件だった。死亡事故につながる相談案件はなかった。自動車メーカーの品質不正問題が相次ぎ、品質に対する消費者の関心が高まっているが、同センターは「今回の相談件数の増加に影響しているという傾向は特にない」と話した。

上期中に受け付けた相談の手段は、電話が1342件で全体の96・4%と大多数を占めた。ホームページで案内する電子メール経由は41件で前年同期より15件増えた。
相談者別の受付状況は、消費者からの相談が1156件と全体の83・0%を占め、圧倒的に多かった。消費者からの相談のうち4割が消費生活センターからの紹介だ。消費者以外では、消費生活センター相談員が182件で13・1%、自動車関連企業が36件で2・6%を占めた。

製品別では「車両本体」に対する相談が1076件で、消費者相談の93・1%を占めた。車両本体の相談内訳は、乗用車(軽自動車除く)が65・8%、軽自動車(商用車含む)が20・6%、商用車・バス・特殊車が5・1%、二輪車が4・0%だった。また、新車と中古車の比率では、新車の57・2%に対して中古車は34・2%となり、相談内容はともに「無償修理」が最も多かった。
「事故関連」の故障部位についてはばらつきが見られた。「ブレーキ」に関しては12件で全体の20%を占めた。次いで「火災」(9件、15%)、「車体構造・外装」(7件、11%)と続く。近年、装着率が高まっている「自動運転システム(衝突被害軽減ブレーキ含む)」は5件と前年並みとなった。
「品質・機能」に関する相談で部位別に見ると「エンジン」が206件で最も多く、27%を占めた。次いで「車体構造・外装」が107件となり、このうち塗装剥がれの相談が17件と最も多かった。「自動運転システム」は19件で前年より8件増た。

同センターは、自動車の品質に関する民事紛争において、裁判外で解決を図る民間の機関で、一般消費者の相談を受け付けて解決に向けた助言を行っている。当事者間の交渉で解決に至らない事案については、同センター付き弁護士による「和解の斡旋」も行う。上期における和解の斡旋の申し立ては1件で、現在手続き中となっている。

日刊自動車新聞11月1日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

公益財団法人自動車製造物責任相談センター

対象者 自動車業界