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2018年11月1日

大型車の車輪脱落事故 29年度も前年を10件以上上回る勢い

大型トラック、バスの車輪脱落事故が増加している。国交省がまとめた平成29年度(平成29年4月~30年3月)の大型車のホイール・ボルト折損等による車輪脱落事故発生数は67件で、前年比11件増と2年連続の増加に加えて、統計を開始した平成11年以降2番目に多い件数となった。同省では年内にも15団体で構成する「大型車の車輪脱落事故防止対策に係る連絡会」を開催し、各団体の対策実施事項の徹底を要請する意向である。

国交省は19日、平成29年度の大型車の車輪脱落事故67件(うち人身事故2件、いずれも軽症)を詳細に分析、これから冬用タイヤへの交換時期が本格化することから適正な作業の実施と、一定距離走行後の増締めなど確実なチェックが重要としている。

同省の分析によると、脱輪事故は冬季(11月~3月)に84%発生し、北海道、東北など積雪地域での発生が多いという。そして、車輪脱着作業後1か月以内の事故発生が約半数(55%)を占め、脱輪の主な原因のうち、ホイール・ボルト・ナットの締付不良等の「作業ミス」が91%と大半を占めると指摘している。

また、脱着作業を行った者については、大型車ユーザーが46%と前年と変わらず、次にタイヤショップが31%と5ポイント減少、整備工場が23%で7ポイント増加している。さらに、脱落の位置の大半(56件・83%)が左後輪であることに注目している。

国交省では、28年度に脱輪事故が56件発生したのを踏まえて、昨年、自動車関連15団体で構成する「大型車の車輪脱落事故防止対策に係る連絡会」を立上げ、今年4月には各団体が実施する緊急対策を策定したが、29年度に連続して10件以上増加した結果に対し「これ以上増やしてはいけない。各団体と一層協力して対策を進める」として、年内に連絡会を開催する意向を示した。また、タイヤ協会では、「増加傾向を重く受け止めて、連絡会の一員として引き続きタイヤ整備者への啓蒙活動等に取り組んでいく」としている。

全タ協連では、『大型車の車輪脱落は許さない』をキャッチコピーとするポスターを組合員に送付した。さらに、トラック協会は、ホームページ上で「走行中のタイヤ脱落急増中」と題するパンフレットを作成し、車輪脱落事故件数の分析や車輪脱落を防ぐポイントを紹介している。

タイヤ新報10月29日掲載

 

 

開催日 2018年10月19日
カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

国土交通省

対象者 自動車業界