2018年10月29日
AICE、内燃機関の超高性能化へ来年度から新体制
内燃機関(ICE)の研究開発の産学官連携を推進する自動車用内燃機関技術研究組合(AICE、平井俊弘理事長=日産自動車常務執行役員)は、2019年度からICEの超高性能化に向けた新体制を始動する。
従来の自動車メーカー、大学による共同研究にサプライヤーのノウハウを本格活用する枠組みを加え、産学官のノウハウ共有を活発化する。AICEは、発足当初の研究目標に掲げた熱効率50%の達成に一定のめどをつけた。ただ、経済産業省が熱効率60%を要望するなど、強化の進む環境規制対応に向けて性能改善が不可欠な状況。このためサプライヤーの参加を念頭に研究開発体制を刷新し、最先端の技術確立に取り組む。
世界的な環境規制の強化にともない、ICEを搭載しない電気自動車(EV)の普及が本格化するという声がある。その一方、新興国市場の拡大、ハイブリッド車の普及などにより、新車のICE搭載比率が30年後にも7割程度を維持するという予測がある。
平井理事長は「ICEを用いたパワートレーンは不可欠で、さらに技術革新が進む」とした。加えて「ICEだけではなく、電動化などパワートレーン全体を考慮してICEを設計することが必要になる」と説明した。
このため、さらなる性能改善に向けて来期からサプライヤーを交えた共同研究を始動。約100社の参画を見込む。従来、サプライヤーは賛助会員という形で研究ニーズを提案していた。ただ、研究への参加や成果の共有が不可能な制度だった。
新たな共同研究体制では、「燃焼」「摩擦損失」「信頼性」「振動」「熱マネジメント」「排気」「制御」など、ICEの様々な技術領域から20テーマを深掘りする。幅広い業種のサプライヤーを巻き込み、様々な分野の知見の取り入れを狙う。
AICEは14年春に発足。現在までに熱効率48・5%を達成した。
日刊自動車新聞10月29日掲載
カテゴリー | 会議・審議会・委員会 |
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主催者 | 自動車用内燃機関技術研究組合(AICE) |
対象者 | 自動車業界 |
リンクサイト | AICEホームページ http://www.aice.or.jp/ |