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2018年10月28日

官民、エーミング作業の確実性担保へ取り組み加速

先進安全技術のエーミング(機能調整)作業の確実性を担保しようと官民が動き出した。国土交通省は法令に基づく分解整備の定義に初期化作業を追加する方向で検討を始めた。ボッシュは第三者認証制度をはじめ、機械工具メーカーや商社も作業支援機器を相次ぎ売り出している。エーミング作業は事前準備が煩雑で車種により工程も異なる。一方で緊急自動ブレーキの新車装着率は約9割に達しており、法令対応を含む、確実な作業環境の構築が今後も急がれる。

国交省は現在、自動運転技術や先進安全自動車(ASV)に対する点検整備の制度設計を行う過程で、エーミング作業の議論も進めている。検討会などでは「エーミング作業を含む初期化・調整は分解整備として扱うべき」とし、新たな制度や資格を創設する案も示す。また、2024年に始める車載式故障診断装置(OBD)車検で、エーミング未実施車両は不合格とする方向だ。エーミングを次世代車の安全性確保に欠かせない作業とし、ディーラーや一般整備工場に確実な作業を促していく。

民間でも作業支援機器や関連サービスの展開が相次ぐ。ボッシュはターゲットの設置作業をレーザー光線で支援する「SCT415・Pアシストポール」を発売。独自のエビデンスサービスを含む第三者認定制度「ADAS(先進運転支援システム)エキスパート認定制度」も立ち上げた。外部故障診断機(スキャンツール)メーカーも同様の仕組みを検討中だ。大手機械工具商社のバンザイは車両中心線をレーザー光で表示する「センターサポートナビ」、ターゲットを置く位置を簡単に測定できる「位置出しスタンド」を扱う。

官民がエーミング対応を急ぐのは、先進安全技術の初期化・調整作業がクルマ社会の安全確保に欠かせないと見ているため。センサーの故障や誤作動が死亡事故に直結しかねないだけに、今後もこうした取り組みが広がりそうだ。

日刊自動車新聞10月26日掲載

カテゴリー 会議・審議会・委員会
主催者

国土交通省

対象者 自動車業界