2018年10月27日
国交省、大型車の車輪脱落増加 確実な作業訴え増し締めなど確実な作業訴え 特に左後輪に注意!
大型バス・トラックでホイール・ボルトが折損したことにより車輪が車体からはずれ、事故に至るケースが増加している。
国土交通省のまとめによると、2017年度における大型車の車輪脱落事故は67件発生しており、前年度と比べて11件増加した。この中で、左後輪が脱落する事故が8割以上を占めていることも分かった。これから冬用タイヤに交換する時期を迎えることから、国交省などでは適切な交換作業と一定距離走行後の増し締めの実施を呼びかける。
ボルトの折損が原因のタイヤ脱落事故は04年度に87件発生した。これを受けて国交省は有識者らで構成する検討会を立ち上げ、事故原因の分析に加え、確実な作業実施を呼びかける啓発活動に取り組んだ。これにより、04年度をピークとして11年度の11件まで事故件数は減少した。
ところが12年度以降は事故件数は増加に転じ、17年度ではピーク時の件数に近い水準に戻ってしまった。その理由について国交省では「急な降雪で、あわててタイヤ交換作業をするケースが増えたため」と分析する。17年度に発生した67件の中で11月に11件、12月に16件など、冬季間に事故が集中しており、さらに脱着作業後1カ月以内の事故が半数以上を占めているためだ。
また、脱落したタイヤは56件で左後輪となっていることも特徴。左後輪は右折時に遠心力がかかりやすいことに加え、道路は構造上、路肩に向けて下り傾斜が付けられているケースが多い。さらに、前輪での不具合はハンドルに振動が伝わることでドライバーが気づきやすい点も、左後輪の脱落が多い原因と国交省ではみている。
17年度の事故のうち、半数近くは大型車ユーザー自身がタイヤ脱着作業を実施したケースで発生している。このため国交省では、全日本トラック協会や日本バス協会などのユーザー団体を通じて各事業者に対し、日程に余裕をもった確実な作業の実施と日常的な点検の実施などを呼びかけている。
日刊自動車新聞10月22日掲載
開催日 | 2018年10月19日 |
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カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
主催者 | 国土交通省 |
対象者 | 自動車業界 |
リンクサイト | 国交省 大型車の車輪脱落事故が増加!特に左後輪に注意!~平成29年度大型車の車輪脱落事故発生状況を受けて~ |