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2018年10月10日

「車道境界逸脱防止システム」ISO発行 国際規格化を日本が主導

車両が車道外に飛び出すことをステアリング操作やブレーキの制御により防止する「車道境界逸脱防止システム」が国際規格「ISO19638」として発行した。

同システムのISO化は日本が2015年6月に提案したもの。ITS(高度道路交通システム)関連で、日本が主導してISO化されたシステムは、昨年末の自動ブレーキ関連システムに続いて2例目となった。今後、自動駐車システムやレーンチェンジシステムなどが相次いでISO化される見込みで、日本主導による自動運転関連技術の国際規格化が加速してきた。

◆安全技術の普及加速に期待
ISO19638は、車両が車道を逸脱しそうになった時の速度を下げ、回避動作を効果的に行うシステムについて定義したもの。ステアリング操作やブレーキ配分による車両の横方向制御とブレーキを使った減速による縦方向の制御を複合的に行うもので、その機能要件や性能試験の方法などを規定した。
日本は、ISO(国際標準化機構)のTC204(ITS)/WG14(走行制御)で国際議長を務めている。車道境界逸脱防止システムの規格化は、提案から発行まで日本が主体的に動いた。
ISO化されたことにより、自動車メーカー各社は製品化したシステムに関する無用な紛争などを避けることが可能になる。さらに、システムが普及すれば、交通事故と事故死者の減少に貢献することになる。
同様のシステムはすでに、国連欧州経済委員会(UN/ECE)の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)で国際基準化されている。ただ、WP29の締約国は最大でも55カ国にとどまり、一部については米国や中国、インドなどが加わっていない。このため、164カ国が加盟するISOでの規格化は「同システムの普及をより加速する効果が期待される」(自動車技術会)という。

日刊自動車新聞10月5日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

日本

対象者 自動車業界