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2018年10月5日

内閣府、骨格や窓に次世代素材 車重を4割減 EVコンセプト披露

内閣府は28日、「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)」で展開した次世代素材の研究「超薄膜化・強靭化『しなやかタフポリマー』の実現」の成果を集め製作した電気自動車(EV)のコンセプト車「ItoP(アイトップ)」を、日本科学未来館(東京都江東区)で公開した。車体骨格やウインドー、足回りなどに新開発の樹脂を使用。車重を既存のEVと比べ約4割減となる850キログラムに軽量化した。

コンセプト車は、後輪にインホイールモーターを搭載した3人乗りEVで、全長が4280ミリメートル。強度としなやかさを併せ持つ炭素繊維複合素材(CFRP)や大型の透明樹脂窓を実現して、従来難しかった金属・ガラス製の部品を樹脂に代替することを可能にした。こうして樹脂の使用比率を従来車の4倍以上となる47%(重量ベース)に拡大、大幅な軽量化につなげた。

素材はCFRPを東レ、樹脂窓を住友化学がそれぞれ担当。タイヤは、ブリヂストンが新材料を使いトレッドやサイドウォールを薄肉化した軽量タイヤを開発した。車両のデザインと製作は東レ・カーボンマジック(奥明栄社長、滋賀県米原市)が行った。

同研究のプログラム・マネージャーを務めた東京大学の伊藤耕三教授は「参加企業の努力で想定以上の成果を生み出せた。日本が車体軽量化を主導することにつなげたい」と手ごたえを述べた。

日刊自動車新聞10月2日掲載

開催日 2018年9月28日
カテゴリー 展示会・講演会
主催者

内閣府

開催地 日本科学未来館(東京都江東区)
対象者 一般,自動車業界
リンクサイト

東レ・カーボンマジック㈱営業・広報部、科学技術振興機構 広報課

http://www.jst.go.jp/pr/announce/20180928-2/index.html