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自動車産業インフォメーション

2018年9月25日

国交省、運送事業者を格付け 就職しやすい環境整備

国土交通省は、トラック、バス、タクシーの各運送事業者を人材活用の意識などで格付けする制度の概要を固めた。

申請があった企業の労働環境や人材の確保・育成策などをポイント化し、獲得ポイントに応じて「一つ星」「二つ星」「三つ星」に格付けする。2018年度中にも審査基準や、制度の名称、認証団体など具体的内容を固め、19年度には運用を開始する。同制度の運用により、求職者が就職しやすい環境を整備するとともに、取引関係の長期安定化などにも役立ててもらう。

国交省は19日に開いた「自動車運送事業のホワイト経営の『見える化』検討会」の第2回会合で、制度の概要を示した。検討会では7~8月に事業者と労働組合を対象に実施したアンケート調査の結果を検証するとともに、審査項目の具体的な検討や制度を創設した場合の事業者の意向、審査手数料のあり方、認定基準の設定などについて話し合った。

審査項目は「不適切事業者の排除」「態勢整備・PDCA」「労働期間・休日」「心身の健康」「安心・安定」「多様な人材の確保・育成」「自主性・先進性等」の7分野に分かれ、業種ごとに項目設定するとともに「必須」と「加点」の項目に分ける。例えば「労働安全衛生や健康経営、女性の活躍促進、ISOなどの認証を受けているか」や「労使協定で休日労働や時間外労働の合計時間を年間960時間以内に制限しているか」「デジタル運行記録計を導入し、分析ソフトを使って運用しているか」などをポイント化する。

必須項目の全てを満たした上で約60%の得点率で「一つ星」、約68%で「二つ星」、約75%で「三つ星」の獲得となるが、申請初年度は一つ星までしか取得できない。認定基準は地域別や企業規模別で格差を設けない可能性が高い。
申請は法人単位で、都道府県をまたがって事業展開する企業は都道府県ごとにも申請できる。申請料は5万円程度を見込む。国交省では、制度開始から5年ほどでトラック事業者の11・5%程度、乗り合いバス事業差で7%程度、貸し切りバス事業者で8・7%程度、タクシー事業者の7・4%程度が申請すると推計している。
実地審査なども担当する認証団体は公募により決定する。合わせて、制度の名称やマークなども公募により決定することも検討する。

日刊自動車新聞9月20日掲載

開催日 2018年9月19日
カテゴリー 会議・審議会・委員会
主催者

国土交通省

対象者 自動車業界