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2018年9月14日

一般会計への6千億円、継続的な繰り戻しを 自賠制度を考える会がシンポジウム

■役割や現状を確認
自動車損害賠償保証制度を考える会(座長=日本大学危機管理学部・福田弥夫学部長)は10日、東京都港区の日本自動車会館で「自賠制度を考える会シンポジウム」を開いた。日本自動車連盟(JAF)や自動車総連のほか、自動車関連団体の幹部ら約140人が参加した。自賠責制度の役割や現状を確認するとともに、「自動車安全特別会計」から国の一般会計に繰り入れたままになっている約6千億円の繰り戻しを求めた要望書をとりまとめ、継続的な繰り戻しを強く求めた。

シンポジウムでは日本弁護士連合会の交通事故相談センター副理事長を務める小林覚弁護士が基調講演を行い、重度後遺障害を負った事故被害者や介護者の現状や生の声を紹介した。また、国土交通省自動車局の小林豊保障制度参事官が「被害者救済事業について」と題して、被害者救済の現状や今後の計画などを説明した。
その後のパネルディスカッションは福田座長が司会を務め、講演者のほか「全国遷延性意識障害者・家族の会」の桑山雄次代表、「日本頚髄損傷LifeNet」の徳政宏一理事長、日本自動車会議所で保険委員長を務める秋田進氏が参加。事故被害者の現実を踏まえて、行政としての対応の紹介。さらに、救済制度の重要性とその拡充の必要性などについて議論した。

また、シンポジウム終了後には、福田座長、JAFの矢代隆義会長、自動車総連の髙倉明会長、秋田氏が記者会見して、一般会計繰入金に関する要望書について説明した。矢代会長は繰り戻しについて「財政上の理由で(繰り戻しを)はぐらかさないでほしい」と述べた。また、髙倉会長は「自賠責制度は世界に類を見ないすばらしい制度。借りたものは返すのが当たり前」などと訴えた。その後、一行は財務省に麻生太郎財務相、国交省に石井啓一国交相を訪ね、要望書を手渡した。

日刊自動車新聞9月11日掲載

開催日 2018年9月10日
カテゴリー 会議・審議会・委員会
主催者

自動車損害賠償保証制度を考える会

開催地 日本自動車会館くるまプラザ(東京都港区芝大門)
対象者 大学・専門学校,一般,自動車業界