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2018年7月21日

ネッツ栃木、全店にVRシミュレーター 安全に「ぶつからない車」体験

ネッツトヨタ栃木(関島誠一社長、宇都宮市)は、衝突被害軽減ブレーキ(緊急ブレーキ)やレーダークルーズコントロール(RCC)などの安全装備を模擬体験できるVR(仮想現実)シミュレーターを新車の全17店に導入した。

トヨタの販売店では、安全確保の理由から実車を用いた緊急ブレーキ体験は実施していない。360度の視界と車体の動きをVRシミュレーターで再現し、安全に「ぶつからない車」体験を広げて顧客に勧める考えだ。

ネッツ栃木は、1月開業の新店舗「宇都宮ゆいの杜店」にVRシミュレーター「T3R」を設置したのに続き、残る16店に簡易版のT3Rを6月に一斉導入した。T3Rはアイロック(古賀琢麻代表取締役、名古屋市天白区)が開発した製品で、自動車開発用や富裕層向けの民生品などに使われていた。

ネッツ栃木がVRシミュレーターに目をつけたのは「店頭で気軽に安全装備を体感してもらえないか」という課題認識が始まりだった。営業企画推進室の斎藤浩一専門課長は「自動ブレーキ体験を実車で行うのはリスクが高く、大きな会場を借りてトヨタ自動車の専門スタッフに来てもらうのも費用と時間と準備がかかる。自分たちで何かできないかと考えていた」と話す。
6247平方メートルと敷地の広いゆいの杜店でも、トヨタの基準に沿った自動ブレーキのコースを設けるのは難しかった。ドライブシミュレーターに目を向けたが、モニター画面を見る既存タイプは臨場感に乏しい。その後、斎藤課長は2017年1月の東京オートサロンでVRシミュレーターが出展されることを知る。アイロックの古賀代表と話し、店舗導入の話が進んだ。

VRシミュレーターのシートに座り、ゴーグルを装着すると「プリウス」か「C―HR」の車室内と視界が全方位で再現される。横に立つスタッフの案内でアクセルを踏み込み、前方車両に接近すると、制動時の車体の動きをともなってブレーキがかかる。このほか、前車に自動追従するRCCと、車線逸脱警報(LDA)も体験できる。
ゆいの杜店に常設したT3Rは、昨年7月にネッツ栃木に納入されたものだ。希望店舗への貸し出しやイベント出展などを合わせ、これまでに延べ800人が体験した。

今後は、ペダル踏み間違いを防ぐICS(インテリジェントクリアランスソナー)や、横滑りを防ぐVSC(ビークルスタビリティーコントロール)などのプログラムも追加したい考え。さらに「ヤリス(ヴィッツ)」でトヨタが戦う世界ラリー選手権(WRC)の走行シーンなど、走りの楽しさに焦点を当てたプログラムも実現したいという。

日刊自動車新聞7月18日掲載

カテゴリー キャンペーン・表彰・記念日
主催者

ネッツトヨタ栃木㈱

開催地 ネッツトヨタ栃木の全17店
対象者 大学・専門学校,一般,自動車業界