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自動車産業インフォメーション

2018年7月21日

国交省など、高速道の渋滞緩和に本腰「休日割引」を集中期前後の平日適用

国土交通省と東日本高速道路など高速道路各社は、お盆や年末年始、春の大型連休など高速道路の利用者が増える期間の渋滞対策を強化する。

通常は土・日曜日や祝祭日に適用する「休日割引」を交通集中期間前後の平日に適用する。これにより、交通量の平準化につなげる。まずは今夏のお盆期間中に試行的に実施したうえで、その効果を検証し、年末年始や大型連休での実施も検討する。さらに、AI(人工知能)を使って渋滞を予測する方法の開発に着手したほか、こうした情報を提供する手段としてインターネットのSNSを活用拡大するなどの方策も検討する。

2017年12月には社会資本整備審議会道路分科会国土幹線道路部会が「高速道路の安全性、信頼性や使いやすさを向上する取組 基本方針」と題した議論のとりまとめを行った。その中では「料金設定の工夫などにより交通量の平準化を目指すべき」として、国交省や高速各社に具体策の検討を促していた。

休日割引とは土日祝日と1月2日と3日の午前0時から深夜12時に東日本、中日本、西日本、本州四国連絡の各高速道路会社と宮城県道路公社が管理する高速国道や一般有料道路の通行料金を3割値引く制度。観光需要の喚起と地方活性化を狙いとしていた。分散利用を狙いとして、その適用日を変更するのは今回が初めてとなる。

高速道路各社は、今年のお盆期間では祝日で土曜日の8月11日と12日の日曜日に渋滞が多く発生すると予測している。このため、休日割引の適用日を9日(木)と10日(金)に前倒して、両日での利用を促す。

さらに、渋滞予測の精度向上にも取り組む。これまで高速道路各社では「渋滞予報士」(東日本)、「高速道路ドライブアドバイザー」(中日本)。「渋滞予測士」(西日本)といった名称の担当者を配置し、渋滞の予測や情報提供に努めてきた。今後、蓄積した膨大なデータをベースにしたAIでの予測も行い、これと人間の予測を織り交ぜて精度向上に役立てる。精度が高い情報を提供することにより、高速道路利用者に渋滞を回避する行動を促し、結果的に渋滞の緩和につなげる。

日刊自動車新聞7月18日掲載

カテゴリー 会議・審議会・委員会
主催者

国土交通省、高速道路各社

対象者 一般,自動車業界