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2018年6月29日

国交省、前方障害物への衝突回避など装置基準導入へ

国土交通省は、前方障害物との衝突が避けられない場合に自動でハンドルを切ったり、運転者のウインカー操作をきっかけに車両が車線変更する装置の基準を来年4月から導入する。こうした装置に関する国際基準案が決まり、来年10月に発効する見通しが立ったため、約半年ほど前倒しで導入する。

このほど開かれた車両安全対策検討会で国交省がこうした方針を示した。今年10月に保安基準を改正し「かじ取り装置に関する協定規則」(R79)の改訂版を導入する。今回の改訂で決まったのは(1)同一車線内で前方障害物への衝突を回避したり、隣接車線にいる車両との接触を自動で避ける「緊急操舵」(2)ドライバーのウインカー操作を起点とする「自動車線変更」の2装置に関する基準。二輪やカタピラ及びそりを持つ軽自動車、小・大型特殊自動車を除くすべての自動車が対象だ。新型車は来年4月、継続生産車は2021年4月から適用する。

改訂R79は今年3月にWP29総会で成立した。発効は来年10月の予定だが、国交省は前倒しで道路運送車両法の保安基準を改正し、型式指定審査を受け付ける体制を整える。
同検討会ではこのほか、レベル3~4車両を想定した安全技術ガイドライン案もまとまった。道路運送車両法の保安基準に規定がない装置などについて、国際基準が策定されるまでの間、暫定的に運用するものだ。ガイドラインではまず、自動運転車に義務付ける車両安全の定義を「運行設計領域において、自動運転システムが引き起こす人身事故であって、合理的に予見される防止可能な事故が生じないこと」と定めた。具体的にはまず、運行設計領域の線引きを明確にして使用者にわかりやすく周知する一方、システム限界を運転者(遠隔運転の場合は運行管理者)へ即座に知らせ、円滑に運転を引き継げるような設計やデータ記録装置の搭載、国際基準に基づくサイバーセキュリティー対策などを求めた。 また「使用過程における安全確保」として、自動運転車の保守管理(点検整備)やソフトウエアのアップデートなども求めた。今夏にも正式決定して公表する。

日刊自動車新聞6月26日掲載

カテゴリー 会議・審議会・委員会
主催者

国土交通省

対象者 自動車業界