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2018年6月7日

アドバンスクラブ、“つながる”サービス実証 顧客車両の状態把握

三井住友海上火災保険の整備業代理店組織、アドバンスクラブ(AC、田中雄二会長)は、コネクテッドサービスを活用した実証事業に着手した。車載機器とスマートフォン(スマホ)を使い、ACの会員工場が顧客車両の状態を把握したり、予防整備などを提案できるようにする。自動車メーカー主導のコネクテッドサービスに対して独自性を打ち出すとともに、独立系整備工場の“中抜き”に対抗する狙いもある。

ACの研究機関である「ASKnet(アスクネット)」(城東自動車工場、鈴木啓一会長)に分科会(玉野自動車、平林潔座長)を設置し、アスクネットの各店舗で実証事業を始めた。サービスの有用性や事業性などを検証していく。ACには約2100の整備工場が加盟している。実証事業の結果によっては、会員工場の顧客に対して独自のコネクテッドサービスを提供することを検討する。

コネクテッドサービスは車両に通信機能を持たせ、車両の位置や稼働情報を集めることで緊急通報の代行や予防整備の提案、安全運転やエコドライブ(省エネ運転)の支援などさまざまなサービスに役立てるもの。トヨタ自動車、日産自動車など乗用車大手を中心に普及し始めたほか、商用各社もトラックやバスの稼働率を高められる予防整備を積極的に提案している。現在、コネクテッドに対応する車両は国内で約200万台とされる。コネクテッドサービスで集めた情報をビッグデータとして分析し、新たなサービスを生み出す狙いもある。
一方で自動車メーカー主導のコネクテッドサービスが普及すると、異常や故障などの情報はいち早く系列ディーラーに届くため、顧客の囲い込みにもつながる。整備業界の一部では「(アフターサービスが)メーカー主導型になっていくことは整備業界にとって大きな課題」(大手車検チェーン)と危機感を募らせている。メーカーや車種を問わないACのコネクテッドサービスは、メーカー系コネクテッドサービスによる将来的な整備需要の寡占に対抗していく狙いもある。

日刊自動車新聞6月4日掲載

カテゴリー キャンペーン・表彰・記念日
主催者

三井住友海上火災保険の整備業代理店組織、アドバンスクラブ(AC)

対象者 自動車業界