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2018年5月24日

政府が呼びかけ、暑い季節 熱中症に注意

熱中症への備えが必要な季節に入った。例年、7月から熱中症による救急搬送が増えるが、梅雨時も注意が必要だ。職場や家庭での熱中症を防ぐため、政府は熱中症対策ガイドラインやポスターを広めるほか、熱中症予防情報サイトの活用などを呼びかけ、注意喚起に努める方針だ。

◆今年は全国的に高温の予報
政府は、2007年に環境、文部科学、厚生労働、農林水産、経済産業、気象、消防の5省2庁による「熱中症関係省庁連絡会議」を設置し、情報共有や対策づくりに努めている。気象庁の3カ月(6~8月)予報によると、今年は全国的に暖かい空気に覆われやすく、夏の気温は東日本以西で高く、北日本でも平均並みか高い見込みで、職場などでも警戒が必要だ。
厚労省によると、職場での熱中症による17年の業種別死傷者は528人と前年を66人上回った。建設業139人(前年113人)、製造業も110人(同97人)、運送業92人(同67人)など、いずれも増加傾向だ。

◆通風、冷房設備、氷、おしぼり…
厚労省は、気温や湿度、周辺の熱環境などで算出するWBGT値(暑さ指数)の測定器を従業員に持たせることを推奨中。この値が基準以上の場合は屋根のある涼しい休憩場所で休ませるほか、通風や冷房設備の設置、水分・塩分の補給、氷やおしぼり、シャワーの用意など職場環境への配慮を呼びかける。暑さに慣れるには1週間程度かかるため、5月頃から休憩時間を確保し、連続作業時間を縮めるなどの準備に入ることも有効だという。また、飲酒や寝不足、食事を抜くことも熱中症を誘発しやすいため、普段の健康管理にも留意が必要だ。
今年度から始まった「第13次労働災害防止計画」でも、熱中症による死亡率を前計画から5%以上、減らす目標を掲げた。自動車業界でも製造現場や整備作業場などでの熱中症が想定されるため、適切な労務管理に取り組む必要がある。

◆意識がない時はすぐに救急車
環境省などによると、熱中症の疑いがある場合、涼しい場所に移動させて衣服を緩め、まずは安静に寝かせる。意識がある場合はエアコンや扇風機などの冷風を身体に当て、太い血管が通っている首やわきの下、太ももの付け根をよく冷やす。飲めるようなら水分も少しずつ取らせることも必要だ。動けない、意識がないなどの場合は直ちに救急車を呼ぶなどの措置をとる。
高齢者に限らず、体調や条件しだいでは誰でも熱中症にかかる。安易に考えず、日頃から健康や労務管理を怠らないことが予防への第一歩だ。
日刊自動車新聞5月19日掲載

カテゴリー キャンペーン・表彰・記念日
主催者

政府(環境、文部科学、厚生労働、農林水産、経済産業、気象、消防の5省2庁)

対象者 一般,自動車業界