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2018年5月21日

輸入車市場、コンパクトカーが再び主戦場に

輸入車市場でコンパクトカーの販売競争が激しくなりそうだ。現在はSUV(スポーツ用多目的車)が市場をけん引するが、2017年度の輸入車車種別登録で首位だったBMW MINI(ミニ)の「ミニ」が16日に一部改良して商品力を強化。フォルクスワーゲングループジャパン(VGJ、ティル・シェア社長、愛知県豊橋市)も新型「ポロ」を投入し、好調な滑り出しを見せる。ブランド別販売でトップを走るメルセデス・ベンツも「Aクラス」の全面刷新を年末に控えており、保有台数の多いコンパクトカーが再び主戦場の一つになりそうだ。

国内の輸入車販売は、日本の市場ニーズに合ったコンパクトカーが需要を下支えしてきた。17年ぶりに外国メーカー車の販売が30万台超となった2013年度には、ベンツが投入した現行型のAクラスが大ヒット。BMWやアウディなど他のプレミアムブランドもコンパクトクラスのラインアップを充実し、国産車ユーザーからの代替え需要を取り込むことで輸入車市場が一気に拡大した。

市場は17年度もプラス基調を続けるが、価格別の販売台数では400万円以下がマイナスとなり、コンパクトクラスは失速気味だった。需要が一巡する中で輸入車各社は商品力をテコ入れし買替え需要を再度、取り込みたい考えだ。
VGJは主力の「ゴルフ」で17年度の車種別トップをミニに譲ったが、特別仕様車の投入などで巻き返しており、1~3月はミニを抑え首位に立った。さらに、今年3月に全面刷新したポロで輸入車コンパクトクラスのシェア拡大を目指す。ベンツは欧州で販売を開始した4代目「Aクラス」を年内に投入。より高級感を高めた新型車でブランド別販売トップの座を盤石にしたい考え。

日刊自動車新聞5月17日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界