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2018年4月26日

日野自動車、次世代HVシステム 中・大型にも設定拡大

日野自動車は、2020年をめどに大型及び中型トラックにハイブリッド車(HV)を設定する。エネルギーの回生効率などを高めた次世代システムを導入する。

商用車のHVは小型トラックなどで各社が投入しているものの、経済合理性の観点から伸び悩んでいる。日野はコストと燃費性能を両立した次世代HVシステムを環境対応の主力技術と位置付けて幅広く展開。二酸化炭素(CO2)の効果的な削減とともに、将来普及が予測される電気トラック(EVトラック)の競争力強化につなげていく。

同社の商用車向けハイブリッドシステムとして6世代目となる次世代システムは、現在のシステムをベースにエネルギーの回生効率を高めて燃費性能を高めるほか、信頼性と価格競争力に優れるニッケル水素電池を引き続き採用し、コスト競争力と燃費性能のバランスを引き上げる。標準車とHVの価格差を従来以上に短期間で回収できる経済合理性の高いシステムを構築。同時に大型や中型トラックへ設定を広げることで普及を加速させる。下義生社長は「導入して2年で元が取れるような商品を目指す」と商用HVの本格普及に注力する。

日野は03年に世界初の2トン積HVを発売。現在、第5世代となるハイブリッドシステムを展開しており、小型トラック「デュトロ」と中型路線バス「ブルーリボン」に設定している。他社でもいすゞ自動車や三菱ふそうトラック・バスが小型トラックでHVを展開しているものの、コストなどを理由に販売は伸び悩んでいるのが現状だ。
ただ、世界的に環境性能に対する要求は年々高まっている。将来的にEVトラックの普及も予測されるものの、日野ではコスト競争力などの観点から当面はHVを環境対応の主力商品と位置付ける。加えて「HVは制御が最も重要で当社が一番進んでいる。これはEVでも圧倒的な強みとなる」(下社長)とHVの普及が将来技術の競争力強化にもつながると見ている。

日刊自動車新聞4月24日掲載

カテゴリー キャンペーン・表彰・記念日
主催者

日野自動車㈱

対象者 自動車業界