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2018年4月9日

勢い衰えぬ国内SUV市場、5年で2倍の成長

国内登録車市場でSUVが右肩上がりの成長を続けている。輸入車を除く2017年度のSUV販売台数は約45万台で5年前の12年度比で倍増した。コンパクトSUVセグメントの販売増が躍進の原動力だった。今後はミドルSUVセグメントで複数の新型車投入が控えており、台数成長の勢いに拍車がかかりそうだ。

SUV販売台数は12年度に20万台を超えて、16、17年度は40万台規模で推移した。14~16年度はホンダが13年12月に発売したコンパクトSUV「ヴェゼル」が3年連続でSUV販売台数1位を占めた。
17年度は、同じくコンパクトSUVでトヨタ自動車が16年12月に発売した新型車「C―HR」が10万2465台と独り勝ちの結果となった。月販目標台数6千台を下回ったのは3単月のみだった。

日本自動車販売協会連合会(自販連)がまとめた17年度の車名別順位50位内で、ブランド別にSUVを集計すると、トヨタが3車種計18万4356台で前年度比63・1%増と最も伸びた。次いでマツダが3車種計6万6673台で同53・6%増だった。「CX―5」が好調だったほか、17年12月に発売した3列シートSUVの新型車「CX―8」が加わったことも大きい。スバルは計2車種5万834台で、「XV」の新型車効果で同35・6%増だった。ホンダと日産自動車はそれぞれ1車種のみでマイナスとなった。
18年度は、スズキ「クロスビー」やマツダのCX―8、三菱自動車が3月発売した「エクリプスクロス」などの新型車がフルイヤーでの販売となる。今夏にはホンダが、ハイブリッド仕様や3列仕様のグレードを設定したミドルSUVの新型「CR―V」を投入する。国内販売は16年以来、約2年ぶりとなる。ヴェゼルとの相乗効果を期待する。
スバルは5代目となる新型「フォレスター」の発売を控える。米国では今秋に発売開始予定と発表済みだ。トヨタは19年春にも約3年ぶりに「RAV4」を国内に復活させることを発表した。個性を求める顧客ニーズが強まっていることや、「ボディーサイズが大型でもこだわらない層が増えている」(ホンダ関係者)ことなどを背景に、各社の世界戦略車であるミドルSUVが新たな需要開拓を図る可能性は十分あると言えそうだ。

日刊自動車新聞4月7日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

日本自動車販売協会連合会(自販連)

対象者 自動車業界