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2018年4月3日

女性バス運転手協会、都内で初の交流イベント 就業希望者ら意見交換

女性バス運転手の就業環境向上やバス事業者の女性採用活動支援などを目的に昨年9月に設立された女性バス運転手協会(中嶋美恵代表理事、東京都港区)は28日、設立後初めての交流イベントを都内で開催した。バス運転手の女性割合は現状では約1・5%と極めて低く、協会は今回のようなイベントの開催やバス事業者への働きかけにより、割合を今後10%に引き上げることなどを目的に活動を本格化させる。

女性バス運転手に焦点を当てたバス業界で初めてのイベントとあって、会場には公募やバス事業者の推薦などを通じて集まった現役の女性バス運転手と運転手の仕事に興味を持つ就職希望の女性ら30人だけではなく、国土交通省や日本バス協会、バス事業者などの関係者らも詰めかけた。
開会の挨拶で中嶋代表理事は「バス運転手の慢性的な不足は高齢化と性別の偏りが原因。解消には『若者と女性』と言われているが、少子化や運転しない若者の増加により、運転を仕事にしようと考える若者は減っている」と指摘。「女性が業界活性化につながることは間違いない」と強調した。
来賓として出席した国土交通省関東運輸局の森髙龍平自動車交通部長は「運輸局のホームページや担当者の高校訪問などでドライバーの魅力を発信するなど、地道な活動をしている。ドライバーの方や就職希望の方も、同じ仲間として意見交換するなど地道にコツコツやっていくことが大切だ」と述べ、ドライバー不足への対応は政府全体の取り組みに加え、業界内の盛り上げも必要との考えを示した。

この後、現役女性ドライバー5人による、現在の仕事の紹介と勤務の現状、就職希望者に向けた意見などを交わすトークセッションが行われた。それぞれ「空港内循環バス」「コミュニティーバス」「路線バス」などと仕事内容は異なるが「乗客から声をかけてもらえる」「育休など配慮したシフトにしてもらえる」「女性用の宿泊施設も整備されている」といった女性ならではの仕事の特徴が発表された。一方で「男性が多い職場なので、生理休暇や産休の希望が言いづらい」といった課題の指摘もあった。
最後に現役の運転手と就職希望者がグループに分かれて、職場の雰囲気や運転手になるための準備などについて、いろいろと意見を述べ合った。
同協会は今後、現役女性バス運転手と運転手への就職を希望する女性による「個人会員」、バス事業者を対象にした「法人会員」を増やし、業界の活性化を図るための各種事業を行っていくことにしている。

日刊自動車新聞4月2日掲載

開催日 2018年3月28日
カテゴリー 会議・審議会・委員会
主催者

女性バス運転手協会

対象者 自動車業界