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2024年4月16日

三菱ふそう、バス事業者向けドライバー派遣 「2024年問題」ハードに人も

三菱ふそうトラック・バスは15日、早ければ年内にもバス事業者向けにドライバーを派遣する事業を開始すると明らかにした。サービスの詳細は検討中だが、バスの生産を手掛ける子会社の従業員が派遣先で営業運転に当たる。運転手の労働規制が厳格化された「2024年問題」で、全国のバス事業者はドライバー不足が深刻化しており、バスの新車市場もコロナ禍前の水準に戻っていない。同社では「ハードだけではなく、人も支える」(高羅克人バス事業本部長)ことで、需要回復につなげる考えだ。

今後、バス事業者とともにトライアルを実施した上で、サービスの内容を具体化する。路線バスや観光バスを運転するために必要な大型自動車第二種免許を保有する従業員は一部のため、本格的に事業を展開する際には、従業員の二種免許取得も推進する見通し。バス事業を手掛ける三菱ふそうバス製造(富山市)の藤岡佳一郎社長は、「従業員の多くは(大型)一種免許を保有し、バスの扱いにも慣れている」とし、既存の人的資産を有効活用できるとしている。

バスの国内販売台数は、新型コロナウイルス禍によって路線・観光ともに激減した。いずれも需要は回復傾向にあるが、23年(1~12月)の路線バスの総需要は19年比で2割減、観光バスは同7割減の水準にとどまった。需要回復に水を差すドライバー不足の解消を図るサービスを、メーカー自らが展開することで、販売拡大につなげる。

カテゴリー 会議・審議会・委員会
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞4月16日掲載