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2024年4月15日

23年度の国内電動車販売比率 HV初めて5割超え

2023年度(23年4月~24年3月)の国内乗用車販売に占めるハイブリッド車(HV、マイルド含む)比率が年度として初めて5割を超えた。トヨタ自動車が「プリウス」を発売してから26年後の大台突破だ。物価や燃料高は当面、続きそう。車両価格が手ごろで燃費改善効果が高いHV人気は今後も続きそうだ。

23年度の乗用車販売は、半導体不足の解消などに伴い380万6718台と前年度を5・3%、上回った。このうち電動車は205万1217台(前年度比20・6%増)で、構成比は53・9%だった。けん引役はHVで191万8382台(同21・2%増)と全需の伸びを凌ぐ勢いを見せ、乗用車に占めるHV比率は50・4%(同6・6㌽増)へと上昇した。電動車全体では23年暦年ベースで5割を初めて突破(50・3%)していた。

登録車で増加率が高かったメーカーはトヨタ(同30・2%増)、ホンダ(同26・4%増)、スバル(同46・7%増)などだ。トヨタは「プリウス」「アルファード」などの新型車効果が奏功したほか、コロナ禍の生産制約が緩和傾向にある。一部HVの納期はまだ長いが、高水準の生産で受注残の解消に努めている。ホンダも「ヴェゼル」など人気車種の供給力が回復したことで販売が伸びた。軽ではマイルドHVの「デリカミニ」が好調な三菱自の増加率が同2・5倍と特に高かった。

電気自動車(EV)販売も増えたが、増加率は2・5%増と、約3倍に増えた22年度からは勢いが鈍った。EV比率は2・1%だった。輸入EVが2万2707台(同44・3%増)と増えたものの、日産(同21・6%減)、ホンダ(同27・5%減)などが減少した。23年度は国内メーカーの新型EVが少なく、既存車種もアーリーアダプター(早期購入層)の需要が一巡したことで販売が伸び悩んだ。プラグインハイブリッド車(PHV)は5万3063台(同33・0%増)だった。

中長期的にはEV販売が増加していく見通しだが、価格が比較的、手頃で燃料代が安いHVもまだ増加余地があるとみられる。国内導入は明言していないが、日産は中期経営計画で第3世代「eパワー」を投入する方針を表明。マツダやスバルも25年をめどに新たなHVシステムを搭載した新型車を発売する。燃費や走行性能に優れた新型車が増えれば、一段とHV比率が上昇しそうだ。

3月の電動車販売は24万988台(前年同月比4・6%増)となり、19カ月連続で増加した。EVは5カ月連続のマイナスとなったが、HVは19カ月連続で増加した。HV比率は59・4%(同14・4㌽増)と早くも6割に迫った。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞4月11日掲載