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2024年4月01日

ヤマハ発動機、英ローラと技術提携 フォーミュラE向けパワートレイン開発

ヤマハ発動機は3月28日、都内で会見し、FIA「フォーミュラE」世界選手権用の電動パワートレインの開発に向け、英ローラ・カーズと技術提携すると発表した。ローラは2025年から、車体を参戦チームに供給することを目指している。ヤマハ発は、電池のエネルギーマネジメント技術などをレースで「手の内化」し、二輪車や船舶など幅広い電動製品に生かしていく。

ヤマハ発は、フォーミュラE規格のモーターとインバーター、制御ソフトを開発する。これらのパワートレインを組み込んだ車体をローラが仕立ててレーシングチームに供給する。供給先は後日、発表する。

フォーミュラEのパワートレインは出力が350㌔㍗(約476馬力)と規定されている。ヤマハ発の電動二輪とケタ違いの出力などが求められるが、社内の基礎技術を生かして開発を進めていく。将来的には、スーパースポーツ向けなどのeアクスルの開発と生産にもつなげたい考え。

ヤマハ発は、フォーミュラワン(F1)にエンジンを1997年まで供給していた。四輪モータースポーツに参戦するのはこの時以来となる。丸山平二取締役常務執行役員は「より高度なエネルギーマネジメント技術を獲得し、全事業の電動技術の底上げに結び付けていきたい」と語った。

ローラは、F1やルマン24時間耐久レースなどで半世紀以上の歴史を持つレースカー製造企業。過去にフォーミュラEチームの代表を務めていたマーク・プレストン氏をモータースポーツディレクターに迎え、フォーミュラEマシンの供給を計画している。

会見に同席したフォーミュラEホールディングスのジェフ・ドッズCEO(最高執行責任者)は「自動車や二輪車の電動化を進めるうえで、ローラとヤマハ発動機のパートナーシップが社会にも恩恵を与える」と歓迎した。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞3月29日掲載