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2024年2月13日

交通政策審議会 タクシー事業者「日本版ライドシェア」制度案

国土交通省は〝日本版ライドシェア〟の制度概要案を交通政策審議会(国交相の諮問機関)自動車部会にこのほど示した。タクシー事業者が一般ドライバーや自家用車を活用して行う有償運送(自家用車活用事業、仮称)と位置づけ、事故が防げる管理運営体制を整えていることなどを許可基準とする。パブリックコメント(意見募集)を踏まえて3月中に制度の詳細を詰め、道路運送法に基づく省令を施行する予定だ。

ライドシェアが可能な地域については、タクシー車両が不足している「交通空白地」とする。国交省が民間企業の配車アプリデータなどを活用して交通空白地の基準となる地域や時期、時間帯を定める。

ライドシェアを提供したいタクシー事業者に対しては、一般ドライバーの運行管理や車両の整備を行う体制をはじめ、採用時の研修や日常の管理・指導体制が確立されていることを求める。安全確保のため、一般ドライバーが他の仕事を掛け持ちしている場合は、その勤務時間を把握することも求める。

タクシー事業者が運用できる自家用車の台数は、対象地域に配備しているタクシー車両の範囲内に制限する。自家用車には同事業に基づく車両であることを外部に表示させるほか、未稼働のタクシー車両を使うことも認める。自動車保険は、タクシーと同等の「対人8千万円以上、対物200万円以上」の任意保険(共済)を求める。

ライドシェアとはいえ、法令上の運送契約は利用者とタクシー事業者の間で交わされ、タクシー事業者が運送責任を負う。配車アプリなどを活用し、受付時に利用者の発着地が確定していることを求め、いわゆる「流し」や「付け待ち」の営業は認めない。運賃の支払いは、原則としてキャッシュレスとする。

一般ドライバーに求める要件は、2年間無事故で、過去に運転免許の停止処分を受けていないこと。タクシー事業者が発行する「運転者証明」を携行することなど。

今回の制度概要案では、例えば一般ドライバーが使用する自家用車に対する要件は示されていない。国交省は「あくまでもたたき台」とし、パブリックコメントも参考にしながら制度の詳細を詰めていく考えだ。

カテゴリー 会議・審議会・委員会
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞2月10日掲載